東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高と円安を受けて続伸となりました。120円高の33,292円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分で31円高の33,203円まで弱含みました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると上げ幅を広げ大引け間際に316円高の33,488円まで上昇し、結局304円高の33,476円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

取引時間中の13時25分に決算を発表したトヨタ(7203)が一時3.3%高となり年初来高値を更新しました。第1四半期の営業利益が前年同期比で93.7%増となり通期予想に対する進捗率が37.4%となったことから業績の上振れを期待した買いで決算発表後に上げ幅を広げました。昨日の引け後に決算を発表した村田製作所(6981)やマキタ(6586)、牧野フライス製作所(6135)なども年初来高値を更新しました。村田製作所は世界的なスマホ需要の低迷が響き第1四半期の営業利益が前年同期比で44.8%減となりました。

しかし、市場予想を大きく上回ったうえ、村田恒夫会長が7-9月期の後半からスマホ需要がゆるやかに改善に向かうとの見解を示したことから一時4.9%高となりました。マキタも原材料高に対応した価格転嫁が進んだうえ、トラックによる輸送費の高騰も落ち着いたことなどで収益性が改善したことで第1四半期の営業利益が前年同期比で7.1%増となり、7四半期ぶりに増益に転じたことから一時17.6%上昇しストップ高となる場面もありました。牧野フライス製作所も為替レートが期初想定に比べ円安に推移していることや、中国向けで電気自動車(EV)関連の工作機械の需要が堅調に推移していることなどで通期の業績見通しを上方修正したことから一時14.4%高となっています。

一方で昨日の引け後に決算を発表した住友ファーマ(4506)が一時12.9%安となり年初来安値を更新しました。米国での主力薬の特許切れで売り上げが落ち込んだうえ、北米事業の構造改革費用がかさんだことなどで第1四半期のコア営業損益が335億円を超す赤字となったことから売りが膨らみました。本日の12時30分に決算を発表した双日(2768)も一時7.0%安となりました。石炭の価格下落や取扱数量の減少により金属・資源・リサイクル事業が減収減益となったことで第1四半期の純利益が前年同期比で51.0%減となったことから後場寄り直後に下落に転じました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は304円高となりました。利上げ継続観測の後退を好感した買いが続き昨日の米国市場が上昇となったことや、ドル円が142円台後半まで円安となったこともあり続伸となりました。また、トヨタの好決算を受けて節目の33,500円近くまで上げ幅を広げました。そのため7月3日に付けた高値(33,753円)更新への期待が一段と高まりそうで、一段と本格化する決算発表を支えにどこまで水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、本日も引け後にはローム(6963)や三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、日本航空(9201)などが決算を発表する予定です。さらに日本時間の23時には7月の米ISM製造業景況感指数や6月の米雇用動態調査(JOLTS)などが発表される予定で、1日の米国ではメルク[MRK]やキャタピラー[CAT]、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ[AMD]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)