東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続伸となりました。318円高の32,812円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分余りで177円高の32,671円まで上げ幅を縮めましたが、そこから切り返すと10時10分過ぎには379円高の32,873円まで上昇し高値を付けました。その後伸び悩むと後場には187円高の32,681円まで弱含む場面もありました。しかし、引けにかけて上げ幅を広げると結局402円高の32,896円で取引を終え高値引けとなりました。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

日産(7201)が7.7%高となりました。2023年3月期に17.6%となっている配当性向を30%に戻したいとスティーブン・マー最高財務責任者(CFO)が述べたと伝わったことから大幅高となりました。ソフトバンクグループ(9984)も一時2.7%高となりました。世界の人工知能(AI)関連企業に投資する傘下のビジョン・ファンド(SVF)を通じ新規投資を再開したと伝わったことで買いが優勢となりました。パーク24(4666)も5.2%高となりました。6月のタイムズパーキングの売上高が前年同月比で6.1%増となり、新型コロナウイルス禍前の2019年6月との比較でも1.7%増だったと発表したことで大幅高となりました。また、目標株価の引き上げを受けて年初来高値を更新したのがメルカリ(4385)や凸版印刷(7911)で、メルカリが一時3.4%高となり、凸版印刷も一時3.8%高となりました。さらに東京スタンダード市場ではラーメンチェーンの丸千代山岡家(3399)が14.9%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。1株を2株とする株式分割に加えて、株主優待制度の拡充を発表したことから買いを集めました。

一方で食品向けの機能性素材などを手がけるファーマフーズ(2929)が8.7%安となりました。2023年7月期の営業利益の見通しを上方修正したことで買いが先行しましたが、買い一巡後に伸び悩むと売上高の見通しを下方修正したことを嫌気した売りが出て下げ幅を大きく広げました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は402円高となりました。市場予想を上回る決算が相次いだことで昨日の米国市場が続伸となったことから買いが優勢となりました。また、日銀の植田和男総裁が持続的・安定的な2%の物価目標の達成にはまだ距離があるとの見方を示し、日銀が7月の金融政策決定会合で政策修正に動くとの観測がやや後退したことで、ドル円が139円台前半まで円安となったこともあり大きく上げ幅を広げました。こうしたなかで明日も買いが優勢となった場合には25日移動平均線(32,965円)を超えることができるかがポイントとなりそうで、25日移動平均線回復となれば調整一巡への期待が一段と高まりそうです。なお、本日の日本時間21時30分には6月の米住宅着工件数が発表されるほか、19日の米国ではネットフリックス[NFLX]やテスラ[TSLA]、ゴールドマン・サックス[GS]、IBM[IBM]などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)