「投資」と聞くと、株式や投資信託などへ資金を投じることをイメージするかもしれません。
もちろんそれも大切な投資の1つですが、お金に働いてもらう投資だけではなく、自分自身の労働価値をアップさせるための「自己投資」も重要です。

20代は自己投資にウエイトをかける

自己投資は、証券投資以上に早いタイミングで始める必要があります。なぜなら、環境変化に対応しやすい若手の労働スキルの評価が高まっているからです。

30代になってから新しいスキルを磨こうと思っても、雇用する側からは評価されにくくなってきているのです。
同じスキルでも年齢が若い方が高く評価される。であれば、自己投資は証券投資より優先させて、20代から早くからやっておくべきでしょう。

自己投資の1つの方法として資格の取得があります。
「自己投資=資格の取得」と思っている人がいるかもしれませんが、市場価値のない資格を取得しても投資の成果は上がりません。

投資する時間とコストに見合う成果があるものを選ぶことが必須です。医師、公認会計士・税理士、弁護士、看護師などのように国家資格が無いと業務ができないものには価値があります。

しかし、取得者数が多く差別化しにくい資格は、せっかく取得しても思ったような自己投資の成果を得られないと思います。

自分のキャリア設計をしっかり行ってから、どの分野のどの資格を狙うかを考えるべきでしょう。

証券投資は株式インデックスから

自己投資にある程度の目処がついたら、並行して進めるべきことは証券投資です。

こちらも自己投資と同じように、できるだけ早いタイミングで始めた方が良いでしょう。なぜなら、長期で運用すればプラスのリターンを得られる可能性が高まるという過去の経験則があるからです。

例えば、1980年からの世界の株式インデックス(MSCI WORLD指数、配当込み円ベース)のデータを見ると、20年間毎月定額を積立投資すると、どのタイミングで始めてもプラスになっています。

少なくとも過去データでは、株式インデックスを使った積立投資の長期の成果が実証されているのです。

超長期で投資に取り組むことができる20代、30代が証券投資を始めるのであれば、株式を中心としたポートフォリオにすべきです。

株式は債券に比べ、リスクが高くなりますが、時間をかけて継続して投資をしていくことで、マイナスになる可能性を下げることができます。

そして、個別の株式ではなく、株式インデックスに投資した方が良いでしょう。また、日本株式だけではなく、海外の先進国・新興国株式インデックスにもバランスよく投資をしていきましょう。

証券投資には、2024年から制度が拡充されるNISAや、iDeCoのような税制優遇制度を積極的に活用することを忘れてはいけません。

50代からはインカム投資

50代になれば、株式インデックスを中心とした証券投資から、債券のようなインカム投資の比率を高めていくべきです。

なぜなら、株式の変動による短期的な資産の変動リスクには、年齢と共にリスク許容度が低くなり耐えられなくなっていくからです。

また、労働から得られる収入が減少すれば、それを補うものとして、投資から得られるインカム収入の必要性が高まります。

米ドルやユーロは金利上昇によって、債券利回りも上昇しています。

一方で日本国内の金利は、日銀の金融緩和政策の継続によって低い状態のままになっています。こちらも金融政策の修正が進めば、長期金利が上昇し、投資対象としての魅力が高まっていくことでしょう。

20代からできるインカム投資もある

証券投資ではありませんが、20代からできるインカム投資として、不動産投資があります。

その特徴は、信用力のある人なら自己資金が少なくても借入によって物件を購入し、家賃としてインカム収入が得られることです。

会社によっては、提携している投資用ローンを使って頭金10万円で投資ができるところもあります。

頭金や繰り上げ返済によってローン残高を減らし、ローンの返済金額が家賃収入よりも小さくなれば、毎月プラスの収益が得られます。

ローンを完済すれば、年利4%程度の家賃(諸費用差引後)を毎月手取り収入として受け取れます。

安定した仕事をしている400万円程度の年収のある人なら、20代から借入可能です。

若いうちから株式のインデックス運用に加え、借入による不動産投資を行うのも選択肢になると思います。

タイミングとバランスを間違えない

自己投資、証券投資、不動産投資は、どのライフステージで実践するかのタイミングを間違えると、せっかくそれぞれにあるメリットが享受できません。

また、1つの投資に集中させるよりも分散させることでリスクを下げることが可能です。

まずは3つの投資の全体的な投資戦略をざっくりと立てる。そして、その人生全体の投資のグランドデザインの上に、個別の投資対象の選択を行なっていくべきです。