◆キムタク人気は健在だった。フジテレビ系列で始まった今クールの「月9」ドラマ、『HERO(ヒーロー)』の視聴率が好調である。キムタクこと木村拓哉と言えば、かつては「月9」の『ロンバケ(ロング・バケーション)』で一世を風靡し、雑誌『an・an』の「抱かれたい男」特集では何年も連続で1位の座を僕と争うなど(嘘です、念のため)「いい男」の代名詞だったが、その人気にも最近は翳りが見えていた。TBS『半沢直樹』の後番組『安堂ロイド』が不発に終わっただけに、『HERO』の高視聴率はキムタクにとって会心のリベンジとなっただろう。
◆キムタクだけでなく他のSMAPのメンバーもみんな活躍している。人気アイドルの座について10年以上、芸能界で不動の地位を確立してなお全員が全力疾走を続けているところがすごい。そんなSMAP人気にあやかろうとNISAのイメージ・キャラクターに香取慎吾さんが起用された。
◆少額投資非課税制度(NISA)は年100万円までの投資に係る譲渡益や配当が非課税になる制度。3月末のNISA口座は約650万口座、投資額は約1兆34億円に達する。NISAを通じて着実に個人の投資が根付いているように思われるが、この流れをさらに加速させそうなのが、政府が創設を検討する子ども版NISAだ。生前贈与ということになるが、子どもや孫の名義でNISA口座を開設し、非課税扱いで投資することができるようになるようだ。金融資産の世代間移転を促す狙いだが、一部に「NISAの恒久化が目的」という見方がある。とにかく今のNISAは使い勝手がよくないが、その最たるものが非課税が5年という「期間限定」である。
◆SMAPとはSport Music Assemble People (スポーツ・ミュージック・アッセンブル・ピープル:スポーツと音楽をするために集められた人々)の略だというが、意味不明なグループ名の由来である。今となっては元の意味など忘れてしまったほうがよいくらいではないか。NISAのほうはNISAという略称だけでなく「日本版少額投資非課税制度」という本来の意味も、その内容ももっと広めていくべきだ。英国のISAは非課税期間を恒久化しているが、そうした「本家」の動向も見習いたい。SMAPとの共通点は、ともに長期に活躍(活用)するところ、としたいものである。
マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆