【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 33,734.88 ▼187.38 (7/7)
NASDAQ: 13,660.72 ▼18.33 (7/7)
1.概況
先週末の米国市場は米雇用統計で平均時給が堅調な伸びを維持し市場予想を上回ったことから米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化を警戒した売りが出て3日続落となりました。85ドル安でスタートしたダウ平均は直後に150ドル安余りまで下落した後持ち直すとプラスに転じ114ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず再びマイナスになると引けにかけて下げ幅を広げました。引け間際に205ドル安まで下落したダウ平均は結局187ドル安の33,734ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も18ポイント安の13,660ポイントとなっています。
2.経済指標等
6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は20万9000人増となり市場予想を下回りました。また、失業率は3.6%と前月から0.1ポイント低下し市場予想と一致しています。さらに平均時給は前年同月比4.4%上昇となり市場予想を上回っています。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品やヘルスケア、公益事業などの6業種が下げ、生活必需品とヘルスケアは1%以上下落しました。一方でエネルギーや素材、資本財・サービスなどの5業種が上げ、エネルギーは2%高となっています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。なかでもメルク[MRK]とウォルマート[WMT]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]が2%を超える下落となったほか、アムジェン[AMGN]も2%近く下げています。また、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、コカ・コーラ[KO]、マイクロソフト[MSFT]、ビザ[V]も1%以上下落しています。一方でキャタピラー[CAT]が2%近く上げ、スリーエム[MMM]も1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、ジーンズ大手のリーバイ・ストラウス[LEVI]が通期の業績見通しを引き下げたことで7%を超える下落となっています。
5.為替・金利等
先週末の長期金利は0.04%高い4.07%となりました。ドル円は大きく円高となりました。6月の雇用統計で雇用者数が市場予想ほど伸びなかったことから金融引き締めの長期化観測がやや和らぎ、円買い・ドル売りが優勢となりました。朝方は142円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安と円高を受けて軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)