東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続伸となりました。112円高の33,306円で寄り付いた日経平均は10時50分過ぎに333円高の33,527円まで上昇しましたが、節目の33,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと大きく上げ幅を縮め、後場に入り14時50分前にはマイナスに転じました。しかし、8円安の33,185円で下げ渋ると持ち直し結局40円高の33,234円で取引を終えています。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興株は高く東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

米半導体メモリー大手のマイクロン・テクノロジー[MU]が昨日の取引終了後に発表した決算が市場予想を上回り時間外で大幅高となったことから半導体関連銘柄が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時4.4%高となり年初来高値を更新したほか、アドバンテスト(6857)が一時3.8%高、SCREENホールディングス(7735)が一時3.2%高、レーザーテック(6920)も一時2.9%高となりました。

日産(7201)も一時5.0%高となり年初来高値を更新しました。日産と仏ルノーが三菱自動車も含めたアライアンス(企業連合)の会合を開き、日産によるルノーの電気自動車(EV)新会社への出資などについて協議すると伝わったことで、出資交渉進展への期待から大幅高となりました。住友大阪セメント(5232)も一時3.2%高となりました。投資有価証券売却益を約42億円計上することなどで60億円とみていた通期の純利益の見通しを95億円に上方修正したことから上げ幅を広げる場面がありました。

ハイデイ日高(7611)も一時2.5%高となりました。3月に主力のラーメン店「日高屋」で値上げを実施したことから3-5月期の営業損益が10億円前後の黒字となりそうで、同期間としては4年ぶりの黒字転換と伝わったことから買いが優勢となりました。中四国地方を中心に食品スーパーを展開するハローズ(2742)も一時7.7%高となり年初来高値を更新しました。商品原価やエネルギーコストの上昇を増収効果で吸収し第1四半期の営業利益が前年同期比で13.3%増となったことから大幅高となりました。

一方でくら寿司(2695)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて一時1.9%安となり、東証スタンダード市場では日本オラクル(4716)が投資判断の引き下げを受けて一時3.4%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は40円高となりました。米ハイテク株高や一時144円台半ばまで進んだ円安を受けて買いが優勢となり一時は330円以上上げました。しかし、節目の33,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮め小幅に下落となる場面もありました。そのため上値の重さが意識されそうですが、小幅ながら続伸となったことで調整一巡への期待はさらに高まることになりそうです。

なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算企業の第1四半期決算発表が本格化しています。本日も引け後には高島屋(8233)が決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数と1-3月期の米実質国内総生産(GDP)確定値が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)