今週(5月12日~5月18日)の相場動向
相場回顧 BTC:ミームコインブームが一服、米デフォルト回避期待により急回復
ビットコインは、ペペコインをはじめとするミームコインが急落し、過熱感による売りが強まった。12日には、米国株が銀行セクターや政府債務上限問題などの不透明感から5月5日続落する中、一時BTC=357万円(26,000ドル)を割り込んだ。イーサリアム上の取引確認で一時的な問題が生じたことも嫌気された。ミームコインの下げが一服すると、取引混雑にともなう手数料高騰や送金遅延などが徐々に改善され、ビットコインも買い戻しが強まった。
5月15日にはBTC=378万円(27,500ドル)付近まで上昇したが、ゲンスラーSEC委員長が暗号資産の証券性について改めて言及したこともあり、上値を抑えられた。また米国当局者が追加利上げの可能性に言及し、米国金利が上昇したことで金利の付かない金とともに売りが強まった。
金が1オンス=2,000ドルを割り込む中、ビットコインもBTC=364万円(26,500ドル)付近まで価格を下げた。しかし、バイデン米大統領の発言によって米国のデフォルト回避への期待が高まり、これを受けてBTC=378万円(27,500ドル)付近まで急回復した。
来週(5月19日~5月25日)の相場予想
BTCは米政府債務上限問題の進展によりリスクオン買いが強まる可能性、金利上昇が重しか
バイデン米大統領と共和党のマッカーシー下院議長との協議によって政府債務上限問題の解決が近いとの見方が強まっている。週末にも合意に至る可能性があり、これを受けてリスクオンの買いが強まることは考えられる。逆に合意が後ろにずれ込むことになれば再び軟調な推移になるだろう。
また米国当局者の間で追加利上げの議論が再燃しており、米国金利がさらに上昇すればビットコインは売られやすい状況が続くだろう。来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の発表も控えており、その内容を受けて次回会合での利上げ停止期待が高まれば暗号資産も上昇に向かうことは考えられる。
過度なミームコインブームが落ち着き、市場の関心は再び暗号資産規制に向いている。週末にかけて開催されるG7広島サミットでは、個人のウォレットを含めたトラベルルールの強化などが議論される見込みだが、国際的な規制が厳格化されることで短期的に売りが強まることはあるだろう。
また、バイナンスがカナダから撤退したように、規制の不透明さから北米を離れる暗号資産関連企業は増えており、北米市場の停滞によってしばらくは相場にもブレーキがかかることが予想される。一方、北米を離れた先がどこになるかは今後の業界の発展を占う上で要注目である。
直近上値として2023年4月以降の下落から半値戻しとなるBTC=392万円(28,500ドル)、下値として今週の底付近となるBTC=357万円(26,000ドル)を意識する。