上昇トレンドが継続中、日経平均は3万円台回復なるか?

日経平均株価は上向きの5日移動平均線上を維持して上昇トレンドが続いています。また、5月16日には取引時間中に29,916円をつけるなど、3万円の大台にあと84円に迫る場面がありました。

株価水準が徐々に切り上がってきていますが、一方で5日移動平均線との乖離率が広がってきており、多少過熱感が見られる状況です。

ただ、このように5日移動平均線が上向きで、株価が5日移動平均線上を維持する状態が続くようですと、何か突発的な急落でもない限り、3万円台を回復するのは時間の問題だと思われます。

ただ、上昇してくる5日移動平均線上を維持できないようですと、一旦売り物に押されることも視野に入るため、5日移動平均線の向きと株価の位置関係はしっかりチェックし、上昇トレンドが継続しているかを確認して、利益を伸ばすことができるにようにしたいところです。

一方で、前回のコラムで解説したモメンタムの水準はどうなっているのでしょうか。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成

モメンタムの水準はピークに接近

モメンタムは上昇や下落の勢いを教えてくれるテクニカル指標ですが、前回のコラムでは、株価が高値を更新しているにも関わらず、モメンタムの水準が切り上がってきていなかったことから、「逆行現象」の発生による上昇の勢いの弱さが警戒されると、解説しました。

ただ、その後はモメンタムの水準が切り上がってきており、警戒された逆行現象が解消される格好となっているのが分かります。このように水準が切り上がってきていることから、これまで低水準だった上昇の勢いが強まっていることを示していることになり、株価上昇を後押ししていると考えられます。

このような状況から、上昇トレンドが継続中であるとともに、上昇の勢いも回復していると考えられ、このままモメンタムの上昇が続いた場合、日経平均3万円台回復と、その維持が期待されることになります。

ただし、注意点もあります。それはモメンタムのピークアウトです。モメンタムは勢いであることから、強まったり、弱まったりするわけですが、株価が高値圏にある時、過去に上昇が止まった水準でピークアウトするような状態になると、勢いが弱まっていることを示すことになるため、ピークアウトには警戒する必要があると考えられるのです。

モメンタムのピークの水準に線を引いていますが、この水準を突破できるかどうかが、3万円台に乗せた場合、その後も維持できるかのカギを握るのではないかと思われます。

また3万円台に乗せることがあっても、モメンタムが低下するようですと、短期的には3万円台を維持できずに5日移動平均線辺りまで下落したり、5日移動平均線を割り込んだりすることが考えられます。そのため、モメンタムにも注意して売買判断に役立ててほしいと思います。