東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は円安を受けて小幅に4日続伸となりました。155円高の29,278円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に上げ幅を縮めると10時50分前にマイナスに転じました。しかし、40円安の29,083円で下げ渋ると後場に入ってまもなくして再び買いが優勢となりその後は小幅高で推移しました。結局、日経平均は34円高の29,157円で取引を終え昨日に続いて年初来高値を更新しています。一方でTOPIXは小幅に下落となりましたが、新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

大塚商会(4768)が一時4.7%高となり年初来高値を更新しました。半導体や資材などの調達が改善しパソコンやサーバー、複写機などの出荷が拡大したことや、オフィス用品のカタログ通販サービスも堅調に推移したことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で22.4%増となったことを好感した買いが入りました。本決算を発表したイビデン(4062)も一時11.8%高となり年初来高値を更新しました。パソコン需要の減速やデータセンターなどで使うサーバーの投資抑制で電子事業が苦戦することなどで2024年3月期の営業利益が前期比で28.1%減となる業績予想を発表しましたが、上期に150億円まで落ち込むとみられる営業利益が下期に370億円まで回復し、上期が業績の底になるとの見通しを示したことから買いを集めました。IHI(7013)も一時2.3%高となりました。主力の民間機エンジン関連事業が好調で2024年3月の営業利益が最高を更新する公算が大きくなったことを踏まえ、年間配当を前期比10円増の100円とする方針で、2期連続で最高額を更新すると伝わったことから買いが優勢となりました。

一方でセレス(3696)が一時4.2%安となりました。暗号資産のビットコイン価格が一時27,000ドル台まで水準を切り下げたことで暗号資産の交換業者に出資しているセレスに売りが出ました。また、投資判断や目標株価の引き下げを受けてエフピコ(7947)や東邦ホールディングス(8129)が安く、エフピコが目標株価の引き下げを受けて一時2.9%安となり年初来安値を更新し、東邦ホールディングスも投資判断の引き下げを受けて一時4.6%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は34円高となりました。米長期金利の上昇を受けて円安が進んだことから買いが優勢となり昨日に続いて年初来高値を更新しました。しかし、明日から5連休ということもあり上値を追う動きは限定的で朝方の買い一巡後に伸び悩むと下落に転じる場面もありました。なお、連休中は海外で重要イベントが目白押しです。日本時間の4日午前3時には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されるほか、同日の21時15分には欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が、そして5日の21時30分には4月の米雇用統計が発表される予定です。また、米クアルコム(QCOM)や米アップル(AAPL)の決算発表も連休中に予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)