長年の月曜日掲載から金曜日に引越後、第1弾です。

これまで同様、身の回りのお金のこと、投資、運用のこと、将来に向けてのマネープランについてなど、身近なお金の問題について、わかりやすい説明を心がけていきたいと思っています。よろしくお願いします!

 

前回(今週の月曜日ですが)、「お金との向き合い方」として、まずは自分を知りましょう、と書きました。自分が優先してお金をかけたいもの、それに必要な金額等々、確認していくことで、漠然とした「お金への不安」の正体が掴めるからです。

「なんだか将来が不安なので、とりあえず貯蓄します。」といったタイプの方、多いですよね。もしくは、「こうした投資方法が儲かるみたいなので、とりあえず始めてみます。」と一見投資や運用に積極的に見えるタイプの方もいます。

いずれも、行動のベースは「なんだか不安」「周囲を見て」という消極的かつ受動的、そして「とりあえず」。「とりあえず」というのは何か始めるのに躊躇している人には後押しになる良い一歩ですが、「考えもせず」とセットになると困った結果になることも。

 

本当に将来にお金が足りなくなるのか。それはどんな生活をしていくかで大きく変わりますし、いくら準備できれば不安は解消するのか、を考え、知る必要があります。その金額を得るために貯蓄で間に合うのか、投資が必要なのかをそこで考えます。こつこつと貯蓄だけをしても間に合わないかもしれないし、無理にリスクを取って資産を減らす可能性を高める必要はないかもしれません。

流行りの投資方法はリスクが大きすぎるかもしれませんし、自分自身の性格や生活スタイルには合わないかもしれません。

 

自分がどんなタイプであるかを知ることは、向いている投資方法にもつながります。

儲かったと聞いたから、その投資方法をしてみるというのは二つの理由から止める方がよいでしょう。

一つは、前述のように性格にも生活スタイルにも全く合わないものは、ストレスが溜まるばかりで長続きはしません。投資には波がありますので、その波に乗れないまま、飲まれることになりかねません。

二つ目は、誰かが成功した投資が、たまたま運が良かったもの、相場のタイミングに上手く乗れた結果であった場合です。後から追いかけても同じような成果は上がらないどころか、尻尾を掴むことになることも。この銘柄で儲かった、こういう攻略法が有効だったといった成功談を聞いて(世の中、そういうものが溢れています)同じことをするのは無意味です。

 

まずは知る→考える→決める、そしてここで「とりあえず」。この場合の「とりあえず」はとても有効です。考えて悩むばかりで第一歩を踏み出せない人も多いので。投資を始めてみるという初めの一歩はとても大切です。積極的かつ能動的に自分の行動を決めていくことこそが本当の自己責任です。

お金の問題は一生関係するものです。誰かの真似をするのではなく、自分で考え、自分で決めることで、漠然とした不安を取り除き、ストレスも減らすことにつながるでしょう。

 

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員