持ち家か、賃貸か・・・過去に何度か取り上げたテーマです。

持ち家の資金計画については、今年に入ってからも書いています。

 

第528回「家を買うなら・・・」

 

その住宅資金計画に、もう一つ忘れてはならないものがあります。

購入資金の他、引越代金、家具・電化製品などの購入代金等諸費用については当初から想定すべきものとして、認識されている方も多いと思いますが、それとは別に長い目で見て検討が必要なものがあります。

 

家はメンテナンスをしないと経年劣化が大きく出てしまうもの。

戸建てであれば、外壁塗装や水回り等のリフォームなどを定期的に行うように、また家庭内でのライフイベント(子供の進学など)と出費の時期が重ならないように自身でスケジュールを立てていく必要があります。

 

マンションは修繕積立金等強制的に積み立てているので安心・・・と思っている方も多いかもしれません。でも専有部分の老朽化には当然自身で対処する必要があり、こちらも定期的なリフォームは欠かせません。万が一老朽化により漏水でもすれば、集合住宅では戸建て以上に周囲の迷惑にもつながります。

水回り等の定期的なリフォーム代金については、戸建て、マンションかかわらず予算を決め、スケジュールしておくことがマネープラン上でも重要なポイントです。

 

ではマンションの共用部分については安心していてよいのでしょうか。

最近の事例として、大規模修繕などに大幅な資金不足に陥るといった事態が多くなっているとのこと。最近人気のタワーマンションなど、足場が組めない高所専用のクレーンが必要になり、想定以上に資金が必要になることが多いようです。急遽、修繕積立金が大幅に割り増すといった事態も十分考えられます。マンションも定期的なメンテナンスをしなければ、前述の通り、老朽化により危険性が増したり、資産価値の減少につながってしまいます。

個人の力でできることには限界がある場合もありますが、少なくとも、そうした積立金の割り増しが決まった時に対応できるようにしたいもの。コツコツと貯めた資産を食いつぶすことは避けたいですよね。

つまり、新築時、中古であれば購入時に示されている月々の経費をそのまま未来永劫の固定費とは考えないこと。数10%~50%増しでも対応できるかを資金計画上に組み入れるようにしましょう。そこまでかからなければ、将来の老後資金なり、の上乗せになるものですから、無駄な試算ではありません。

 

購入時にぎりぎりめいっぱいの住宅資金計画をしてしまうことで、将来的に結局手放さなければならなくなり、借金だけが残るといった最悪の事態は事前準備により回避するようにしましょう。

 

・・・<お知らせ>・・・

6月より掲載日が月曜日から金曜日(隔週)に移ります。

引き続き金曜日にご愛読いただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員