東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に続伸となりました。104円高の28,697円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分弱で213円高の28,806円まで上昇し18日に付けた年初来高値(28,658円)を上回りましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと112円高の28,706円で前場を終えました。98円高の28,691円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を縮め年初来高値を下回り14時40分前に16円高の28,609円まで弱含むと結局26円高の28,620円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表したニデック(6594)が一時4.4%高となりました。中国の電気自動車(EV)市場を取り込み、EVの基幹部品が初めて黒字転換することなどで2024年3月期の営業利益が前期比で2.2倍となり最高益を更新する見通しを示したことから上げ幅を広げる場面がありました。大和ハウス工業(1925)も一時3.3%高となり年初来高値を更新しました。新型コロナウイルスの感染拡大で低調だったビジネスホテルの稼働が回復したうえ、投資不動産の売却が好調だったことなどで2023年3月期の営業利益の見通しを3600億円から4650億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。三菱電機(6503)も一時5.4%高となり年初来高値を更新しました。産業構造が急速に転換するなか意思決定プロセスを簡素化し、よりスピーディーな事業運営を行うため収益改善が課題となっている自動車機器事業を分社化すると発表したことを好感した買いが入りました。任天堂(7974)も一時2.6%高となり年初来高値を更新しました。5日に北米で公開された映画「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」の週末の興行収入が3週連続で北米で首位になったと伝わったことを材料視した買いが入りました。また、乃村工芸社(9716)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時7.5%高となり年初来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は26円高となりました。昨日の米国市場でダウ平均が続伸となったことに加え、決算を発表したニデックが大幅高となったことで投資家心理が一段と改善したことから買いが優勢となりました。一時は210円以上上昇し28,800円台に乗せ年初来高値を上回る場面もありました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと年初来高値を引けで上回ることが本日もできませんでした。そのため年初来高値を上回ったところでの上値の重さが改めて意識されそうで、明日から一段と本格化する決算発表を支えに年初来高値を超えて水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。なお、日本時間の23時には4月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。また、25日の米国ではマイクロソフト(MSFT)やグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)、ベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)、ダウ(DOW)、マクドナルド(MCD)、ビザ(V)、スリーエム(MMM)など大手ハイテク企業や主力企業の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)