新入生、新入社員の方々、おめでとうございます。新しい環境でスタートされた方々も期待と不安でいっぱいかもしれませんね。

4月から、私たちの暮らしに関わる様々な商品の値段や制度が変わりましたが、目立つのは相次ぐ値上げです。政府の目標である「デフレ脱却」という意味では、経済的に見て悪いことではないものの、各々の家計から見れば確実に負担増となります。

先週もお金のいろはの話を書きましたが、

第536回「新人にお金について聞かれたら・・・」

 

週末の日本経済新聞に「若者『金融知識に自信なし』9割」というデータが出ていました。

20代から30代前半の大学生、大学院生、若手のビジネスパーソン500名を対象にした調査とのことですが、金融・投資に関心が薄く、自身の収支を把握している人も少なく、金融リテラシーは高くないと思っている人が9割を超えているのです。

FPとしてお金の知識の啓蒙を続けてきた私にとっては、かなり残念なデータですが、「学校では教えてくれない」というのは10年前も今もほとんど変わっていないのですから、当然の結果かもしれません。

自分で関心をもつしか金融知識は身につかない、逆に言えば、いくつであっても関心をもち、学ぶ、始める気持ちさえあれば遅くないとも言えるのです。

 

友人から家計の相談をされました。

きちんと毎月定額を貯蓄に回すという、家計管理の優等生ではあるものの、突然の壁に当たったとのこと。予想外のご主人の長期単身赴任により、家計へのダメージが大きいというのです。すでにある貯蓄を切り崩す?毎月の定額貯蓄を止める?そもそも老後にはどれくらい貯めればいいの?不安は尽きない様子でした。

きちんと家計管理している家庭でも、こうしたことは起こりえます。

 

子どもが留学したい(させたい)。

遠方の親の介護が必要になった。等々。

 

ライフプランを立てている方であれば、書き直し、修正を入れ、無理がない範囲をすぐに確認できます。まだ、という方であれば先週も書きましたが、一にも二にも自身の家計収支の把握から始めるにつきます。それも月々ではなく、年単位で。その後は5年、10年単位で。家計が苦しい時期が数年で終わるのか、それが後を引き、老後破綻につながるのかはそれぞれの家計によります。つまりいくらの老後資金があればいいかというのは、それぞれの家計によって異なるということ。

将来に亘っての不安を取り除くためにも自分自身のお金のコントロールができるよう、早めに確認しておきましょう。

 

なお、件の友人ですが、以前に投資を始めることを勧め、すぐに実行に移したために今では当初より50%増しになっているとのこと。

家計管理についても、すぐに着手すると言っていました。

早ければ早いほど良いものですが、いつでも思い立てば遅くはないのです。

 

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員