東京の桜も満開になり、週末はお花見日和となりましたね。東京で桜は入学式という感覚でいましたが、今年は例年より開花がだいぶ早かったとはいえ、桜は卒業式となりそうで、どうにも調子が狂います。春めいて暖かくなってくると気分は浮き立ってくるものですが、市場の方はウキウキとは程遠い状況です。目先に一喜一憂せずに、「鳥の目」でもって全体を俯瞰して判断するようにしたいですね。

 

いよいよ来週は新年度。新しい環境に身を置く人も多いのでは?新入社員向けの特集もよく見かけます。正しい言葉遣い、態度、身だしなみ等が書かれていますが、すでに新人時代から年数を経た人にもあらためて参考になりそうなものもありますね。もちろん、お金についても。お給料をもらって何年経っても、給与明細についてチンプンカンプンというのはよくあること。新人にどうやってお金を貯めれば良いですか?などと聞かれれば、こちらが教えて欲しい!と思う人も多いはず。今からでも遅くはありません。新年度を前に、自分自身や家族の将来のためにもきちんとお金のいろはを理解しておきましょう。

 

当然ですが、サラリーマンの場合、給料の額面が手取りではありません。社会保険料に税金、会社ごとに社内で天引きされるものもあるでしょう。思いのほか手取りは少なく感じるものです。そして社会人2年目になると、1年遅れでやってくる住民税の課税で、たとえ昇給しても手取りは変わらないか、減ったりします。ご記憶にある方も多いでしょう。社会保険料と税金に関しては、強制的に差し引かれてしまうため、特に不都合はないものの、存在が遠くになりすぎると「得する」ことも知らないままになってしまうことも。たくさん医療費を払った年には確定申告をすることで払った税金が戻ってくるなど、知っておいて得するこうした知識は身に着けたいものです。

 

お金のいろはとして、お金を貯めるという目的のために、もっとも大切なのは自身の収支を把握することです。手取り金額より支出が多ければ当然赤字です。月ごとに見れば、イベントが多くて赤字になる月もあるかもしれませんが、年間通じて赤字になるようだと大問題です。クレジットカードは手元に現金がなくとも支払いができ便利ではあるものの、それは借金を作ることです。請求が来てからぎょっとしていては遅いのです。リボ払いにすれば支払いは一定に保てる?借金に固められた生活になるだけです。収支を把握するということは生活をきちんと見直すことにもなります。無駄を省き、必要なお金、自由になるお金を把握、貯蓄や投資に回せるお金を確認できたら、翌月からはまずはその分を差し引いて「強制的に」積立なり投資なりしていきます。残額でやりくりすることで、「貯める」基本形はできます。新人に聞かれても困らないように、自分自身の生活を見直して新年度を迎えるようにしましょう。

 

廣澤 知子

ファイナンシャル・プランナー

CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員