【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,586.52  △101.23 (4/10)
NASDAQ: 12,084.36  ▼3.60 (4/10)

1.概況

米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均とS&P500株価指数は先週末発表の米雇用統計を受けて景気後退への過度な懸念が和らいだことで景気敏感株に買いが入り続伸となりましたが、ナスダック総合株価指数はハイテク株の一角が売られたことで反落となりました。60ドル安でスタートしたダウ平均は直後に141ドル安まで下落した後持ち直すと先週末の終値を挟んで小幅にもみ合う展開がしばらく続きましたが、午後に入って買いが優勢になると引けにかけて上げ幅を広げました。結局ダウ平均は101ドル高の33,586ドルで取引を終え3日続伸となっています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の4,109ポイントと続伸となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3ポイント安の12,084ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米卸売在庫は前月比0.1%増に止まり市場予想を下回りました。また、米卸売売上高は前月比0.4%増となっています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち資本財・サービスやエネルギー、素材などの6業種が上げました。一方でコミュニケーション・サービスや公益事業、情報技術などの5業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではキャタピラー(CAT)が3%高となったほか、ダウ(DOW)も2%余り上げました。アメリカン・エキスプレス(AXP)とナイキ(NKE)、スリーエム(MMM)も1%以上上昇しています。一方でアップル(AAPL)が1-3月期のパソコン出荷が4割減ったと伝わったことで1%を超える下落となり、アムジェン(AMGN)も1%近く下げました。

ダウ平均構成銘柄以外では、韓国サムスン電子が半導体の減産方針を発表したことで半導体メモリーの需給が改善し市況が上向くとの期待からマイクロン・テクノロジー(MU)やウエスタンデジタル(WDC)が高く、マイクロン・テクノロジーが8%高となり、ウエスタンデジタルも8%を超える上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い3.42%となりました。ドル円は日銀の植田和男新総裁が就任記者会見で現在の大規模緩和の継続が適切との考えを示し、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)についても継続が適当と述べたことを受けて円安に振れ133円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円などの動向をにらみながらの展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)