【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,030.11  ▼530.49 (3/22)
NASDAQ: 11,669.96  ▼190.15 (3/22)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)でインフレ抑制のため金融引き締めを続ける姿勢を示したことで3日ぶりに大幅反落となりました。9ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に小幅にプラスとなる場面もありました。

しかし、FOMCの結果発表を控え様子見が強まるなか徐々に売りが優勢となりFOMCの結果発表前には140ドル安余りまで下落しました。その後FOMCの結果発表を受けて一旦プラスに転じ201ドル高まで上昇しましたが、パウエルFRB議長が会見で金融引き締めを続ける姿勢を示したことでマイナスとなり引けにかけて急速に下げ幅を広げました。

結局ダウ平均は530ドル安の32,030ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も190ポイント安の11,669ポイントとなっています。

2.経済指標等

米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)は政策金利の0.25%の利上げを決めました。また、ドットチャートによる2023年末時点での政策金利の中央値は5.125%と前回と同水準に据え置かれ、声明文からは「継続的な引き上げが適切になる」との文言が削除され、「幾分の追加的な金融政策引き締めが適切になるかもしれない」との文言が新たに採用されました。しかし、パウエルFRB議長は参加者が年内の利下げを基本シナリオにしていないと述べています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも不動産が3%を超える下落となり、金融と一般消費財・サービス、エネルギーも2%以上下げました。また、公益事業と資本財・サービスも2%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもナイキ(NKE)が5%近く下落したほか、ボーイング(BA)も4%以上下げました。ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も3%余り下落し、トラベラーズ(TRV)も3%近く下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、主力ハイテク株が軟調でネットフリックス(NFLX)が4%近く下落し、テスラ(TSLA)も3%を超える下落となりました。金融株も引き続き安くUSバンコープ(USB)が7%以上下げ、バンク・オブ・アメリカ(BAC)とウェルズ・ファーゴ(WFC)、シティーグループ(C)も3%を上回る下落となりました。一方で画像処理半導体のエヌビディア(NVDA)が次世代AIの開発でソフトウエアのアドビ(ADBE)との協力を拡大することを発表したことで1%高となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.17%低い3.44%となりました。ドル円は131円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(昨日時点で27,235円)などを支えに下げ渋るような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)