マーク・トウェインは云いました。“History never repeats itself, but it does often rhyme.”・・歴史は繰り返さないが、しばしば韻を踏む。

世界は今、もう起きないだろうと思っていた大国を巻き込んだ戦争が進行しており、そして技術革新などの理由でもうかつてのような速さでインフレは起きないと思われていたところ、実際にはインフレが進行しています。金融市場に於ける事故や犯罪も、例えば去年起きたFTX事件は、20年前のエンロン事件に似ていて、様々に牽制する仕組みが作られてもう起きないだろうと思っている中で起きました。

歴史は韻を踏む。正にその通りです。思うに、人の、好きだ、嫌いだ、裏切り、その他の感情や行動パターンは、ギリシアの時代から何も変わっていないのだと思います。そして何か事故・事件が起きると、それを防ぐための仕組みが作られたりするのですが、一番重要で強力な牽制はその事故・事件に対する記憶であり、20年も経つと社会の中心的役割を担う世代が入れ替わり、即ち記憶が希薄になり、そうするとギリシア時代からの本能に戻って、また同じような過ちを犯すのではないでしょうか。

人間はその他の動物と違って、唯一言語を持ち、本などに記して記憶を引き継げるのになぁ。過去に縛られてはいけませんが、過去の学びをちゃんと活用したいですね。