2月20日、日経平均はテクニカル面で、ようやく短期線の25日移動平均線が中期線の75日移動平均線を上回る局面に入ってきました。

25日移動平均線が、下向きから上向きに変わった1月26日から18日が経過したタイミングです。その間の株価は高値から安値までの幅が550円程度と、それこそ、「いつ見ても日経平均の水準は同じ」と言える局面が続いています。いわゆる、保ち合い相場です。

日中の値動きも小さいです。20日の後場の高値から安値までの幅は、たったの28.08円。2003年以降、後場の高値から安値までの変化率でみると、過去最低を更新しました。

2つの移動平均線から推測する今後の動き

さて、25日移動平均線が75日移動平均線を上回ったことで、相場に何かポジティブな変化は生じるのでしょうか。

実は2022年11月25日にも25日移動平均線が75日移動平均線を上回る、同じような局面がありました。しかし、当時は20日も経たないうちに短期線の25日移動平均線が上向きから下向きに変わり、日経平均は26,000円割れまで値幅調整を強いられる展開となりました。

なぜでしょうか。それは短期線よりも重要な中期線の75日移動平均線が、横ばいから下向きに変わるタイミングだったからだと思われます。

今回の状況もよく似ています。75日移動平均線の傾きを決める75日前の日経平均の水準は、あと3週間程度かけて28,000円台前半まで確実に上昇します。ということは、75日前と同じスピードで同じ水準まで戻らないと、75日移動平均線は今の横ばいから下向きに変わり、株価調整の要因の1つになり得ます。

また、25日移動平均線も同じ考え方ができます。2月20日現在、25日前の水準は26,100円台と今よりもかなり下ですが、あと2週間もしないうちに25日前の水準が今とそんなに変わらなくなり、25日移動平均線は上向きから横ばいか下向きに変わりやすくなります。

日経平均の保ち合い相場、その行方は

日経平均の保ち合い相場が上か下かのどちらに放れていくのかが、市場参加者の話題になってきました。基本的には保ち合い相場は、それまでのトレンドが一時的に休む、踊り場の役割をすることが多いのですが、現時点では五分五分と言えるでしょう。

あと2週間程度経っても、このような状態で保ち合いが続く場合、保ち合いは上放れではなく、下放れる動きになりかねないという状況を迎えることになります。