東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反落となりました。120円安の27,550円で寄り付いた日経平均は直後に100円安の27,570円を付けた後下げ幅を広げると取引開始から1時間半で404円安の27,266円まで下落しました。しかし、売り一巡後に持ち直すと316円安の27,354円で前場を終えました。270円安の27,400円でスタートした後場の日経平均は13時40分に298円安の27,372円を付けた後14時40分過ぎに241円安の27,429円を付けるなど27,400円を挟んで小幅にもみ合うと結局243円安の27,427円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

ホンダ(7267)が4.5%高となりました。原料高などの影響を受けて四輪事業が苦戦したものの、アジア地域で二輪事業が好調で第3四半期の営業利益が前年同期比で9.3%増となったことや、自社株買いを発表したこともあり大幅高となりました。同じく第3四半期決算を発表した三井松島ホールディングス(1518)も14.6%高となりました。石炭生産分野における石炭の販売数量増加や価格上昇が想定を上回る見込みとなったことなどから通期の営業利益の見通しを310億円から350億円に上方修正したことで買いを集めました。また、ロシアが原油生産を日量50万バレル減らす方針を示し原油価格が上昇したことを受けてINPEX(1605)や石油資源開発(1662)が高く、INPEXが5.6%高、石油資源開発も5.3%高となりました。

一方で第3四半期決算を発表したワコールホールディングス(3591)が5.7%安となりました。のれんの減損損失の発生などで通期の最終損益を80億円の黒字から40億円の赤字へと下方修正し、創業以来初の赤字になる見通しとなったことで売りが膨らみました。本決算を発表した資生堂(4911)も4.0%安となりました。日用品工場売却に伴う損失が見込まれるなど、前期に続き構造改革費用を計上することなどで2023年12月期の純利益が前期比で18.1%減と2期連続の減益となる見通しを発表したことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は243円安となりました。先週末の米国市場で米長期金利の上昇を受けてハイテク株に売りが出てナスダック総合株価指数が続落となったことや、日銀の黒田東彦総裁の後任に元日銀審議委員の植田和男氏を起用する人事を政府が固めたと伝わるなか日銀の新体制への警戒感もあり反落となりました。節目の27,500円を割り込み一時は400円以上下落する場面もありました。しかし、200日移動平均線(27,248円)をサポートに下げ渋るとドル円が円安に振れたこともあり売り一巡後に持ち直しました。そのため200日移動平均線近辺での底堅さが意識されそうです。明日は夜に1月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見になりやすいといえます。そうしたなかで引き続き200日移動平均線を維持できるかがポイントとなりそうです。なお、決算発表も終盤ですが本日も引け後にはリクルートホールディングス(6098)やサントリー食品インターナショナル(2587)、ヤマハ発動機(7272)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)