東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は5日ぶりに小幅反落となりました。51円高の27,744円で寄り付いた日経平均は取引開始から15分余りで121円高の27,814円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと10時40分前に27円高の27,721円まで上げ幅を縮め60円高の27,754円で前場を終えました。51円高の27,745円でスタートした後場の日経平均は上げ幅をさらに縮め13時過ぎにマイナスに転じ13時50分前に31円安の27,662円まで下落するとその後も小幅安で推移し結局8円安の27,685円で取引を終えています。一方でTOPIXが小幅に上昇となったほか、新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期決算を発表したヤマトホールディングス(9064)が8.1%高となりました。物価高を背景に国内消費が盛り上がらず2022年の年末商戦での荷動きが想定より鈍かったことなどから2023年3月期の営業利益の見通しを750億円から610億円に下方修正しましたが、傘下のヤマト運輸が個人が利用する宅配便の基本運賃を4月から平均約10%引き上げると発表したことで来期以降の収益改善を期待した買いが入りました。デサント(8114)も9.0%高となりました。スポーツアパレルの好調が続き日本事業が過去最高益となったほか、韓国でも「アンブロ」などのブランドが伸びたことなどから第3四半期の営業利益が前年同期比で66.7%増となったことや、2023年3月期の年間配当を前期比15円増の40円と従来予想から12円増やすと発表したことを好感した買いが入りました。コーセー(4922)も4.5%高となりました。

日本で百貨店と化粧品専門店が好調に推移したことに加え、メーキャップブランド「タルト」も北米を中心にクリスマス商戦で販売を伸ばしたことなどから2022年12月期の営業利益の見通しを165億円から221億円に引き上げたことで買いを集めました。一方で第3四半期決算を発表したJFEホールディングス(5411)が8.5%安となりました。資材高騰で土木建築分野の鋼材需要が停滞していることや、欧州の個別工事で損失を計上することでエンジニアリング事業も下振れることなどから通期の純利益の見通しを1550億円から1500億円に下方修正したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は8円安となりました。円安基調が続いていることから昨日までの堅調な地合いを引き継ぎ買いが先行しました。しかし、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長のワシントンエコノミッククラブでのインタビューを控えていることもあり上値を追う動きも限定的で朝方の買い一巡後に伸び悩むと後場に入って売りが優勢となりました。そのパウエルFRB議長のインタビューは日本時間の8日午前2時40分から行われる予定です。先週末に強い米雇用統計の発表があった直後ということもありパウエルFRB議長の発言に注目が集まりそうです。また、7日の米国ではバイデン米大統領の一般教書演説も予定されておりこちらも注目されます。なお、決算発表が本格化しています。本日も引け後にはダイキン工業(6367)やスズキ(7269)、任天堂(7974)、ソフトバンクグループ(9984)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)