東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続伸となりました。52円高の27,455円で寄り付いた日経平均は直後に43円高の27,445円を付けた後上げ幅を広げると10時40分前に210円高の27,612円まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと116円高の27,518円で前場を終えました。90円高の27,492円でスタートした後場の日経平均は12時40分過ぎに133円高の27,535円を付けた後14時30分前に75円高の27,477円を付けるなど節目の27,500円を挟んでもみ合うと結局107円高の27,509円で取引を終えています。一方で新興株は軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

第3四半期の決算を発表した空運株や海運株では明暗が分かれました。空運株ではANAホールディングス(9202)が新型コロナウイルス感染防止の水際対策の緩和で国際線の需要が回復し、燃料費などのコストも計画を下回ることなどから通期の純利益の見通しを400億円から600億円に上方修正したことで一時3.7%高となりました。しかし、日本航空(9201)は国内線を中心に旅客需要の想定を引き下げたことで通期の純利益の見通しを450億円から250億円に下方修正したことから一時4.7%安となっています。海運株では川崎汽船(9107)が通期の純利益の見通しを7000億円から6500億円に引き下げたものの、株式分割考慮後の期末配当を従来計画から200円増の1株あたり300円にすると発表したことで4.5%高となりました。

その一方で日本郵船(9101)は通期の純利益の見通しを1兆300億円から1兆円に下方修正し配当予想を据え置いたことから一時3.2%安となっています。また、第3四半期の決算を発表したソニーグループ(6758)とパナソニック ホールディングス(6752)も明暗を分けました。ソニーグループは為替の好影響を反映してゲーム事業の利益の見込みを引き上げたことから通期の営業利益の見通しを1兆1600億円から1兆1800億円に引き上げたことで6.2%高となりましたが、パナソニック ホールディングスはデータセンター投資の抑制などを受けて電子部品関連が苦戦したうえ、原材料高騰の影響で電池事業の収益も悪化したことなどから通期の営業利益の見通しを3200億円から2800億円に引き下げたことで3.1%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は107円高となりました。米長期金利の低下を受けてハイテク株が買われたことで昨日の米国市場でナスダック総合株価指数が3%を超す大幅高となったことから続伸となり節目の27,500円を回復しました。朝方は節目の27,500円近辺で伸び悩む場面もありましたが、9時30分頃から一段高になると一時は27,600円台に乗せる場面もありました。しかし、1月の米雇用統計の発表を控えていることから上値を追う買いも限定的で買い一巡後には伸び悩みました。その米雇用統計は日本時間の22時30分に発表となります。今後の金融政策を占ううえで関心の高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。なお、決算発表が続いています。本日も引け後には三越伊勢丹ホールディングス(3099)や三菱商事(8058)、ソフトバンク(9434)、ヤマダホールディングス(9831)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)