東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。25円高の27,458円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに60円高の27,494円を付けた後10時30分に54円安の27,379円を付けるなど昨日の終値を挟んで小幅にもみ合うと3円安の27,429円で前場を終えました。12円安の27,420円でスタートした後場の日経平均は軟調に推移し引けにかけて下げ幅を三桁に広げ大引け間際に131円安の27,302円まで下落すると結局106円安の27,327円で取引を終えています。一方で新興株は堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の引け後に第3四半期決算を発表し通期の業績予想を上方修正したオリエンタルランド(4661)や中部電力(9502)が買われました。オリエンタルランドは政府の旅行支援で入園者数が増えるうえ、有料優先券の対象施設を広げたことで客単価も伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを800億円から973億円に引き上げたことで3.5%高となりました。中部電力も液化天然ガス(LNG)のスポット調達や卸電力の調達価格が下がり採算が改善することなどから通期の経常損益の見通しを1700億円の赤字から600億円の黒字に上方修正したことで8.6%高となっています。本日の14時に第3四半期決算を発表し通期の業績予想を上方修正した東京瓦斯(9531)も7.3%高となりました。原料費調整による都市ガスの単価上昇などを反映し通期の営業利益の見通しを1500億円から3310億円に引き上げたことで決算発表後に上げ幅を広げました。

一方で本決算を発表したキヤノン(7751)が一時3.4%安となりました。レンズ交換式デジタルカメラの需要が引き続き堅調に推移するほか、業務用の映像制作機器の市場拡大も見込まれることなどから2023年12月期の純利益が前期比で10.7%増となる見通しを発表しましたが、市場予想に届かなかったことで売りが優勢となりました。第3四半期決算を発表したコーエーテクモホールディングス(3635)も一時5.1%安となりました。保有するデリバティブ(金融派生商品)の評価損などで営業外費用がふくらむことから通期の経常利益の見通しを425億円から310億円に下方修正したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は106円安となりました。昨日の米国市場が利益確定の売りが出て反落となる一方で、ドル円が円安に振れるなど強弱材料が入り混じるなか前場は一進一退の展開となりましたが、後場に入ると売りが優勢となり引けにかけて下げ幅を三桁に広げました。朝方には60円高となり節目の27,500円に迫る場面もありました。しかし、昨日同様に27,500円を前に伸び悩んだことから27,500円近辺での上値の重さが改めて意識されそうで、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え様子見となりやすい明日も27,500円を超えて水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。

なお、決算発表が続いていますが本日も引け後にはコマツ(6301)や富士通(6702)、TDK(6762)、アドバンテスト(6857)、JR東日本(9020)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の22時30分に10-12月期の米雇用コスト指数が発表されるほか、23時45分には1月の米シカゴ購買部協会景気指数(PMI)が、そして1日午前0時には1月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数が発表される予定です。さらに31日の米国ではマクドナルド(MCD)やキャタピラー(CAT)、ファイザー(PFE)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)などの決算発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)