モトリーフール米国本社 – 2023年1月3日 投稿記事より
主なポイント
・ ウォルト・ディズニーがストリーミングで利益を上げるのも時間の問題
・ エアビーアンドビーの株価は過小評価されている
・ サプライチェーンの混乱により割安となっているアップルは、買い場かもしれない
優良企業が割安で入手可能
多くの投資家は、2022年を過去のことにしたがっています。2022年の金融市場は、インフレの悪影響とインフレ抑制のための米連邦準備制度理事会(FRB)の動きに大きな打撃を受け、多くの銘柄が急落しました。
とはいえ、過去を振り返れば株式市場は低迷後には必ず回復しており、強気相場入りするのは時間の問題だと考えられます。
そのような中、ウォルト・ディズニー、エアビーアンドビー、アップルの3優良銘柄の株価は、足元で過去12ヶ月の安値付近にあります。今購入しておけば、市場の回復時に大きな利益が期待できるでしょう。
1.ウォルト・ディズニー
メディア業界は大きく変化しています。ケーブルテレビや地上波放送事業者は、コードカッティング(ケーブルテレビを解約してインターネットの動画配信サービスを利用すること)の流れで利益を圧迫され、映画館チェーンは新型コロナウイルスの影響を未だに引きずっています。一方でストリーミングサービスは競争激化の中、利益を確保することが難しい状況です。
エンタメ大手のウォルト・ディズニーは、こうした困難なトレンドの渦中にあることを自覚していますが、ライバル企業よりも嵐をうまく切り抜けることができる立場にもあります。ディスニープラス、Hulu、ESPN+などの人気コンテンツ加入者は 2 億 3,500 万人にのぼり、ウォルト・ディズニーのストリーミング加入者数はすでにネットフリックスを上回っています。また、ウォルト・ディズニーはテーマパークや商品ライセンス、レガシーメディアなど多角的に事業を展開しており、潤沢な利益を生み出し続けています。
ウォルト・ディズニーのストリーミング事業は、まだ黒字化していません。しかし同社は、より多くの顧客を惹きつけるべくコンテンツ制作費を増やしています。この健全な戦略は、順調な加入者の増加を後押ししています。
一方、先日行われた月額料金の値上げや新たな広告付きプランの導入は、経営陣が収益性重視に移行していることを示しています。2024年以降、ディスニープラスは黒字化して継続的に利益を出すと予想されます。これが実現すればウォルト・ディズニーの株価は、大きく上昇する可能性があります。
ウォルト・ディズニーの株価は直近1年間で約43%下落し、52 週安値である80ドル台半ばに近い水準で取引されています。上昇が見込まれるメディア最大手企業の株式を、大幅に割安な価格で購入するチャンスです。
2.エアビーアンドビー
景気後退の可能性と旅行業界の低迷により、エアビーアンドビーの株価は2022年に49%下落しました。一方でリモートワークのトレンドや、新型コロナウイルスのパンデミック初期に見送られた休暇を取得しようとする需要に支えられて、民泊市場は比較的持ちこたえています。こういった点を考えると、投資家はエアビーアンドビーの見通しを過小評価しているように思えます。
エアビーアンドビーのプラットフォームには、400万以上のホスト(部屋の貸し出しをする人)が物件を掲載しています。この圧倒的なスケールとブランド認知度、さらに消費者のマインドシェア(消費者の心に占める特定のブランド・企業の占有率)が相まって、同社は競合他社と比べて優位な位置にあります。
また、厳しい経済環境の下で、副収入の手段として民泊用の部屋を提供しようとする人も増えています。第3四半期には、ワンルームの掲載が前年同期比31%増となっています。このような状況を受けて、エアビーアンドビーの売上高は29%増の29億ドル、純利益は46%増の12億ドルとなりました。
そのような中、最も注目すべきは同社のキャッシュフロー創出力にあります。民泊用物件の購入や準備にかかる費用を負担するのはホストであることから、同社に設備投資の必要はそれほどありません。その結果、第3四半期には売上の3分の1にあたる9億6000万ドルのフリーキャッシュフローを生み出しています。
このように驚異的な成長性、収益性、キャッシュフロー創出力にもかかわらず、エアビーアンドビーは52週間の最安値に近い85ドル前後で取引されています。時価総額およそ540億ドルの同社が生み出す、直近12ヶ月のフリーキャッシュフローは33億ドルで、株価フリーキャッシュフロー倍率は約16倍です。同社がこれだけの優良企業であることを考えれば、株価は非常に割安です。
3.アップル
新型コロナウイルスに端を発した混乱により、中国におけるアップルのサプライチェーンは寸断されています。パニックに陥った投資家がこの巨大ハイテク企業の株を売却しようと殺到したことで、株価は過去1年間で30%近く下落しています。
幸いにもティム・クック最高経営責任者(CEO)は物流のプロであり、同社のサプライチェーン問題の解決に適役と言えます。アップルはすでに製造拠点の一部をインドや米国などに移転し、オペレーションの分散化を図っています。
さらに高収益のサービス事業が、全体に占める割合も増えつつあります。たとえば、アップルミュージックやアップル TV+などのサービスは順調に加入者を増やしています。今後は広告事業も大きく成長することが予想されます。
このサービス分野での力強い成長が、同社の比類なき利益とキャッシュフロー創出力を支えています。直近12ヶ月の純利益は950億ドル、フリーキャッシュフロー1,110億ドルです。
何よりも、魅力的な価格でアップルの利益を手に入れることが可能となっています。株価は足元で52週安値近くの125ドル付近で取引されており、大幅に割安な価格で購入可能です。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Joe Tenebrusoはウォルト・ディズニーの株式を保有しています。モトリーフールは、エアビーアンドビー、アップル、ネットフリックス、ウォルト・ディズニーの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は、以下のオプションを推奨しています。ウォルト・ディズニーの2024年1月満期の145ドルコールのロング、アップルの2023年3月満期の120ドルコールのロング、ウォルト・ディズニーの2024年1月満期の155ドルコールのショート、アップルの2023年3月満期の130ドルコールのショート。モトリーフールには情報開示方針を定めています。