25日移動平均線を下回って2つの窓が発生

ボックス相場の上限を明確に上回って維持することができなかった日経平均ですが、12月15日まで25日移動平均線上を維持するとともに5日移動平均線の上昇が続いていました。

そして、12月16日に窓をあけて25日移動平均線と5日移動平均線を一気に下回ると、75日移動平均線まで下落する展開となって5日移動平均線が下向きに変化してしまい、期待されたゴールデンクロスも完成しませんでした。

また、12月17日も連続して窓をあけて下落し、緩やかな上向きを続ける200日移動平均線をわずかに下回って終えているのが分かります。

そこで迎えた日銀の金融政策決定会合でしたが、発表された金融政策の修正(イールドカーブ・コントロールの上限引き上げ)がバッドサプライズとなり、値幅を伴う下げ幅が発生して終えているのが分かります。

また、この下落で10月17日と18日の間にあけた窓を埋めています。このように値幅を伴う下落が発生したことで、日経平均は安値模索の展開が続くことが考えられます。そこで注目されるのが、10月13日と14日にあけた窓と10月3日と4日にあけた窓です。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※赤い丸=埋まっていない窓、青い丸=埋まった窓

26,000円台の窓を埋める可能性もあり注意が必要

特に10月3日と4日の間にあけた窓は、ほんのわずかですが埋めることができておらず、今回この窓を埋めるとなると大きなレンジの下限に到達することになるのが分かります。

そうなりますと、レンジの下限(25,700円前後)で株価が下げ止まるのかが注目ポイントになりそうです。

仮に窓を埋める水準まで下落したとしても、レンジの下限を終値で割り込まずに反発するようであれば、再びレンジ相場に戻ることが考えられます。

しかし、レンジの下限を下回って戻せなくなるようですと、2022年3月につけた安値に接近したり、場合によっては割り込んだりすることも視野に入るため、リバウンド狙いの買いは控える必要があると思われます。

特に年末にかけて、このレンジの下限を割り込んで終えるようですと、値幅を伴う大きな反発が発生しない限り、長期の下降トレンドが発生してしまうことが考えられますので、安易なリバウンド狙いの買いは控えるようにしたいところです。