モトリーフール米国本社、 2022年12月15日 投稿記事より

主なポイント

・バンク・オブ・アメリカはバークシャー・ハサウェイ保有銘柄の中で2番目に大きな残高であり、株価は52週安値付近にある
・他の多くの優れたバリュー投資家も、ポートフォリオのかなりの部分をバンク・オブ・アメリカに配分している
・PERはわずか10倍であり、配当利回りは市場トップクラス

52週高値から30%安の水準にあり、魅力的な買い場を迎えている優良銘柄

ウォーレン・バフェット氏は、史上最も有名な投資家の1人として広く認められています。そのため、同氏の上位保有銘柄に注目し、そのパフォーマンスを注視するのは決して悪いアイデアではないと思われます。今回紹介する銘柄は、バフェット氏の長年の上位保有銘柄で、株価は過去1年間の最安値付近にあり、今こそポートフォリオに組み入れるチャンスかもしれません。

現在、バンク・オブ・アメリカの株価は、52週安値をわずかに上回る水準で取引されており、バフェット氏に倣って優良な大手銀行株をポートフォリオに組み入れたい投資家にとって魅力的な買い場を迎えています。

足元の株価は52週安値付近にある

バンク・オブ・アメリカの株価は年初来で27%下落しています。多くの投資家が景気後退入りを懸念していることから、銀行株全体が下落しており、上場投資信託(ETF)のSPDR S&PバンクETF(KBE)は年初来で16.6%の下落となっています。

ブライアン・モイニハンCEOが、2023年に緩やかな景気後退入りが予想され、消費が減速し始めている兆候が見られると発言したことも、株価下落に拍車をかけたようです。しかし、今回の売りは行き過ぎのように見えます。投資家は2022年の大半を通じて景気後退入りの可能性を議論しており、今さら最新ニュースというほどではありません。

今回の株価下落は、米国第2位の預金銀行の株を買う絶好のチャンスかもしれません。バンク・オブ・アメリカは、住宅ローン市場、ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット(HELOC、住宅を担保とした与信枠)市場、中小企業向け融資市場でいずれも上位2位以内に付けています。同行はまた、オンライン証券や資産運用の分野でも大きな存在感を示しており、オンライン証券に関しては、メリルリンチ・ウェルス・マネジメントとメリル・エッジを通じてサービスを提供しています。

バンク・オブ・アメリカは巨大銀行として幅広いエンドマーケットで大きな存在感を示しており、顧客に対して総合的にサービスを提供する能力だけでなく、コスト面での優位性やテクノロジーへの投資を支えるだけのサイズと規模も備えています。

バフェット氏お気に入りの銀行

バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイ(BRK.A)(BRK.B)は、49銘柄から成る3,000億ドル近い巨大な株式ポートフォリオを有しています。バンク・オブ・アメリカは、バークシャー・ハサウェイのポートフォリオで2番目に大きな保有銘柄であり、株式ポートフォリオの実に10%を占めています。バフェット氏個人もバンク・オブ・アメリカの株式を100万株以上保有しており、その保有株式は300億ドルを上回ります。

バークシャー・ハサウェイはバンク・オブ・アメリカの断トツの筆頭株主であり、発行済み株式の12%超を保有しています。バフェット氏が米国第2位のマネーセンターバンクに多大な信頼を寄せていて、同氏とそのチームが高い確信をもって投資していることは明らかです。

他の多くのバリュー投資家も、バンク・オブ・アメリカの株式を大量に保有しています。バフェット氏の長年のパートナーであるチャーリー・マンガー氏は、自身が率いるデイリー・ジャーナルが運用する投資ファンドの42%を保有しており、同ファンドはバンク・オブ・アメリカに投資しています。他にも、ヒマラヤ・キャピタルのリ・ルー氏や、アクアマリン・キャピタルのガイ・スピア氏など、バフェット氏を信奉する著名投資家がバンク・オブ・アメリカの株式を多く保有しています。最新のフォーム13F(保有株式に関する報告書)によると、リ・ルー氏の米国株式ポートフォリオのうちバンク・オブ・アメリカは25%を占め、ガイ・スピア氏の米国株式ポートフォリオでは14%を占めています。

極めて割安になっている優良株

では、バフェット氏をはじめとするトップクラスのバリュー投資家は、バンク・オブ・アメリカのどこを気に入っているのでしょうか。さまざまなエンドマーケットにおける市場トップの地位や規模の優位性といった上述の要素に加えて、バフェット氏らバリュー投資家は、現在の苦境の多くがすでに株価に織り込まれていると考えています。優良銀行であるバンク・オブ・アメリカの株価収益率(PER)はわずか10倍と魅力的であり、予想利益に対しては、さらに割安な8.7倍となっています。

株価純資産倍率(PBR)はわずか1.1倍です。他の大手米銀であるJPモルガン・チェース(JPM)やウェルズ・ファーゴ(WFC)と比べたらわずかな割安ですが、市場全体と比べると大幅な割安となっています。

こうした魅力的なバリュエーションに加え、バンク・オブ・アメリカは配当を支払っており、配当利回りも魅力的な2.69%です。配当性向は27%と、安全で保守的な水準です。その上、同行は9年連続で増配しており、過去5年間で17%増と、派手さはありませんが安定した成長率を示しています。

バンク・オブ・アメリカは、短期間で数倍になるような投資ではありませんが、ウォーレン・バフェット氏が長年にわたって上位保有銘柄とするだけの理由はあります。さまざまな分野でトップクラスの地位を占め、大きなスケールメリットを持つ優良銀行であり、株価は非常に魅力的なバリュエーションとなっています。市場を上回る配当も、投資先として十分なアピールポイントです。

年初来で30%下落し、52週安値に近い足元の株価は、バフェット氏に倣ってトップクラスの米銀株をポートフォリオに組み入れたい投資家にとって魅力的な水準です。この銘柄は、バフェット氏やマンガー氏、そしてその他多くの優れた投資家に対して果たしているように、今後数年にわたってポートフォリオの礎となってくれるかもしれません。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。JPモルガン・チェースは、モトリーフールのグループ会社アセントの広告パートナーです。ウェルズ・ファーゴは、モトリーフールのグループ会社アセントの広告パートナーです。バンク・オブ・アメリカは、モトリーフールのグループ会社アセントの広告パートナーです。元記事の筆者Michael Byrneは、記載されているどの銘柄のポジションも保有していません。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイ、JPモルガン・チェースの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールはバンク・オブ・アメリカの株式、および以下のオプションを推奨しています。バークシャー・ハサウェイの2023年1月満期の200ドルコールのロング、バークシャー・ハサウェイの2023年1月満期の200ドルプットのショート、バークシャー・ハサウェイの2023年1月満期の265ドルコールのショート。モトリーフールは情報開示方針を定めています。