東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて続伸となりました。50円高の28,005円で寄り付いた日経平均は直後に118円高の28,073円を付けた後伸び悩むと9時30分に38円高の27,993円まで上げ幅を縮めましたが、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し11時過ぎに220円高の28,175円まで上昇し186円高の28,141円で前場を終えました。
196円高の28,151円でスタートした後場の日経平均は12時50分に240円高の28,195円を付けた後伸び悩みましたがその後も28,100円を上回って堅調に推移すると結局201円高の28,156円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
東レ(3402)が7.0%高となりました。米航空大手のユナイテッド航空が米ボーイング(BA)の中型機787を最大200機発注したと発表したことから787に炭素繊維複合材料を供給している東レが買われました。こうしたなか他の航空機関連銘柄にも買いが広がり、大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)が4.7%高、東邦チタニウム(5727)が8.5%高、航空機用内装品大手のジャムコ(7408)も11.2%高となりました。美容機器を手掛けるヤーマン(6630)も11.5%高となりました。中国の電子商取引(EC)サイト向けに美容機器の出荷が好調で上期の営業利益が前年同期比で36.7%増となったことで大幅高となりました。
岩谷産業(8088)も5.9%高となりました。経済産業省が燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない水素とアンモニアの普及に向けた支援策の概要をまとめ、供給企業を原則15年間と長期間補助しLNGや石炭並みに販売価格を抑えられるよう支援するとしたことで水素事業を手掛ける岩谷産業に物色の矛先が向かいました。セガサミーホールディングス(6460)も4.5%高となりました。11月8日に全世界同時発売した新作ゲーム「ソニックフロンティア」の世界累計販売本数が250万本を突破したと発表したことで収益の拡大を期待した買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は201円高となりました。寄り付き前に発表となった日銀短観で大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)は前回調査から1ポイント悪化しプラス7となったものの市場予想を上回ったこともあって影響は限定的で、11月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げ長期化への警戒感が和らぎ昨日の米国市場が続伸となったことから買いが優勢となりました。昨日は一時節目の28,000円を上回りながら米CPIの発表を控え様子見となり28,000円を割り込んで取引を終えました。本日も朝方には28,000円を下回る場面がありましたが、時間外の米株価指数先物が堅調だったこともあって持ち直すと28,000円を上回って取引を終えました。
しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えていることから後場は様子見となり値幅が46円に止まりました。その米FOMCは日本時間の15日午前4時に結果が発表となります。利上げ幅がこれまでの0.75%から0.5%へと縮小することは織り込み済みであることから政策金利の見通し(ドットチャート)や経済見通し、パウエルFRB議長の会見での発言などに関心が集まりそうでマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)