【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 33,597.92  △1.58 (12/7)
NASDAQ: 10,958.55  ▼56.34 (12/7)

1.概況

米国市場は米連邦準備理事会(FRB)の利上げによる景気後退を警戒した売りが相場の重石となるなか小幅に高安まちまちとなりました。39ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に92ドル安を付けた後昼前に177ドル高を付けるなど一日を通して一進一退の展開になると結局1ドル高の33,597ドルで取引を終えほぼ横ばいとなっています。

一方でS&P500株価指数が7ポイント安の3,933ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も56ポイント安の10,958ポイントとなりました。

2.経済指標等

7-9月期の米労働生産性指数改定値は年率換算で前期比0.8%上昇し市場予想を上回りました。一方で10月の米消費者信用残高は前月比270億8000万ドル増に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや情報技術、一般消費財・サービスなどの8業種が下げ、コミュニケーション・サービスは1%近く下落しました。一方でヘルスケアと生活必需品、不動産の3業種が上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではセールスフォース(CRM)が2%余り下げたほか、アップル(AAPL)とボーイング(BA)も1%以上下落しました。一方でスリーエム(MMM)とメルク(MRK)が1%以上上げています。ダウ平均構成銘柄以外では、需要が低下し採算が悪化するとの指摘を受けてテスラ(TSLA)が3%を上回る下落となりました。

また、投資判断の引き下げを受けて旅行予約サイトのエクスペディア・グループ(EXPE)やブッキング・ホールディングス(BKNG)が安く、エクスペディア・グループが6%以上下げ、ブッキング・ホールディングスも4%を超える下落となりました。食品のキャンベルスープ(CPB)は決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで6%高となり、住宅建設のトール・ブラザーズ(TOL)も決算が市場予想を上回ったことで7%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は0.11%低い3.42%となりました。ドル円は136円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(昨日時点で27,603円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)