【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 34,429.88  △34.87 (12/2)
NASDAQ: 11,461.50  ▼20.95 (12/2)

1.概況

先週末の米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。ダウ平均は長期金利が上昇一服となるなかで主力株を買い戻す動きが出て反発しましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数は主力ハイテク株の一角に売りが出て下落となりました。129ドル安でスタートしたダウ平均は米雇用統計で雇用者数や平均時給が市場予想を上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長期化するとの見方が強まり直後に355ドル安まで下落しましたが、長期金利が上昇幅を縮めると持ち直し取引終盤にプラスに転じました。結局ダウ平均は34ドル高の34,429ドルで取引を終えています。

一方でS&P500株価指数が4ポイント安の4,071ポイントと続落となったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も20ポイント安の11,461ポイントと3日ぶりに反落となっています。

2.経済指標等

11月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は26万3000人増となり市場予想を上回りました。平均時給も前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。失業率は前月から横ばいの3.7%で市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちエネルギーや情報技術、公益事業など6業種が下げました。一方で素材と資本財・サービス、生活必需品などの5業種が上げ、素材は1%以上上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではユナイテッド航空ホールディングス(UAL)と数十機の中型機787の受注で合意が近いと伝わったボーイング(BA)が4%高となったほか、ナイキ(NKE)も1%以上上げました。ダウ(DOW)とプロクター・アンド・ギャンブル(PG)も1%近く上昇しています。

一方でセールスフォース(CRM)とインテル(INTC)が1%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体株が安く、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が3%を超える下落となり、マイクロン・テクノロジー(MU)とエヌビディア(NVDA)、ウエスタンデジタル(WDC)も1%以上下げました。クアルコム(QCOM)も1%近く下落しています。

また、料理宅配アプリのドアダッシュ(DASH)が投資判断引き下げを受けて3%以上下げています。さらに11月の自動車販売台数が減少したことでフォード・モーター(F)も1%を超える下落となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.02%低い3.49%となりました。米雇用統計で雇用者数や平均時給が市場予想を上回ったことで朝方には3.63%まで上昇する場面もありました。ドル円は134円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなり新たな買い材料になりにくいことから軟調なスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が75日移動平均線(先週末時点で27,650円)を引き続き維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)