【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 34,194.06 △95.96 (11/23)
NASDAQ: 11,285.32 △110.91 (11/23)
1.概況
22日の米国市場は小売り企業の市場予想を上回る決算の発表が相次いだことで消費関連株に買いが入ったことや、長期金利の低下を受けてハイテク株も買われたことで反発となりました。109ドル高でスタートしたダウ平均は一日を通して上げ幅を広げ引け間際に415ドル高まで上昇すると結局397ドル高の34,098ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も149ポイント高の11,174ポイントとなっています。
昨日の米国市場はFOMC議事要旨を受けて利上げペース減速への期待が強まり続伸となりました。6ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じ朝方に140ドル高余りまで上昇した後伸び悩むとマイナスとなり昼過ぎに93ドル安まで下落しましたが、FOMC議事要旨を受けて取引終盤に再びプラスに転じると一時は163ドル高まで上昇しました。その後引けにかけてやや上げ幅を縮めたダウ平均ですが結局95ドル高の34,194ドルで取引を終えています。また、ナスダック総合株価指数も110ポイント高の11,285ポイントとなっています。
2.経済指標等
10月の米耐久財受注額は前月比1.0%増に止まり市場予想を下回りました。11月の米製造業PMI速報値も47.6と前月から低下し市場予想を下回りました。先週一週間の新規失業保険申請件数も前週比1万7000件増の24万件となり市場予想以上に悪化しています。一方で10月の米新築住宅販売件数は年率換算で前月比7.5%増の63万2000戸となり市場予想を上回りました。11月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値も56.8と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。また、11月開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨では参加者の大多数が利上げペースの減速がまもなく適切になると判断していることが分かりました。
3.業種別動向
22日の業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでもエネルギーが3%余り上昇したほか、素材も2%以上上げました。情報技術も2%近く上昇し、コミュニケーション・サービスと一般消費財・サービス、金融も1%以上上げています。
昨日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が上げ、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービス、公益事業が1%以上上昇しました。一方でエネルギーが1%を超える下落となっています。
4.個別銘柄動向
22日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもインテル(INTC)とセールスフォース(CRM)が3%高となったほか、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も3%近く上昇しました。また、ダウ(DOW)とシェブロン(CVX)、ホーム・デポ(HD)、キャタピラー(CAT)、ナイキ(NKE)も2%以上上げています。一方でウォルト・ディズニー(DIS)とアムジェン(AMGN)、ボーイング(BA)の3銘柄が下げ、ウォルト・ディズニーは1%以上下落しました。ダウ平均構成銘柄以外では決算が市場予想を上回り、通期の既存店売上高の見通しを上方修正した家電量販店のベストバイ(BBY)が13%近く上昇しました。スポーツ用品店のディックス・スポーティング・グッズ(DKS)も決算が市場予想を上回ったことで10%高となっています。1ドルショップのダラーツリー(DLTR)は決算で通期の1株利益の見通しを下方修正したことで8%近く下げています。
昨日の米国市場でダウ平均構成銘柄ではウォルト・ディズニー(DIS)が3%近く上げたほか、セールスフォース(CRM)も2%高となりました。また、ボーイング(BA)とユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、JPモルガン・チェース(JPM)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上上げています。一方でアムジェン(AMGN)とホーム・デポ(HD)が1%以上下落し、シェブロン(CVX)も1%近く下げました。ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ(TSLA)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて8%近く上げました。農機のディア(DE)も決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったことで5%高となっています。
5.為替・金利等
22日の長期金利はクリーブランド連銀のメスター総裁が利上げペースを減速させることは理にかなっているとの認識を示したことで0.06%低い3.76%となりました。昨日の長期金利はFOMC議事要旨を受けてFRBが利上げペースを減速させるとの観測が強まり0.07%低い3.69%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ139円台半ばで推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が続伸となりダウ平均が2日間で490ドル以上上げたことから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)