【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ:  32,653.20   ▼79.75  ( 11/1 )
NASDAQ:  10,890.85   ▼97.30  ( 11/1 )

1.概況

米国市場は米雇用動態調査で労働市場の堅調さが確認されたことで米連邦準備理事会(FRB)が12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を縮小させるとの期待が後退し続落となりました。129ドル高でスタートしたダウ平均は直後に242ドル高まで上昇しましたが、買いが続かず上げ幅を縮めるとまもなくしてマイナスに転じ昼前には247ドル安まで下落しました。

その後下げ渋り持ち直したダウ平均ですが軟調に推移すると結局79ドル安の32,653ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も97ポイント安の10,890ポイントとなっています。

2.経済指標等

10月の米ISM製造業景況感指数は50.2と前月から低下しましたが市場予想を上回りました。9月の米建設支出も年率換算で前月比0.2%増となり市場予想を上回っています。また、9月の雇用動態調査で求人件数も43万7000件増の1070万件となり市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスや一般消費財・サービス、情報技術など6業種が下げ、コミュニケーション・サービスが2%近く下落したほか、一般消費財・サービスも1%以上下げました。一方でエネルギーや公益事業、金融などの5業種が上げ、エネルギーは1%近く上昇しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではJPモルガン・チェース(JPM)が2%近く上昇したほか、ゴールドマン・サックス(GS)とナイキ(NKE)も1%以上上げました。一方でアップル(AAPL)とマイクロソフト(MSFT)、セールスフォース(CRM)、メルク(MRK)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)が1%を超える下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、決算で売上高が市場予想を上回ったことで配車サービスのウーバーテクノロジーズ(UBER)が12%近く上げました。決算で売上高が市場予想ほど減らなかったファイザー(PFE)も3%以上上昇しています。また、米連邦通信委員会が中国発の動画投稿アプリのティックトックの禁止を主張したことで競合するフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)や写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)が高く、メタ・プラットフォームズが2%余り上げ、スナップも3%を上回る上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い4.04%となりました。ドル円は148円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えて様子見となりやすいなかで日経平均が75日移動平均線(昨日時点で27,578円)を維持できるかがポイントとなりそうです。

( マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)