【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,082.56  △748.97 (10/21)
NASDAQ: 10,859.72  △244.87 (10/21)

1.概況

先週末の米国市場は12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を縮小させるかどうかを11月の会合で協議すると伝わったことから米連邦準備理事会(FRB)が年内に利上げペースを減速させるとの見方が浮上し3日ぶりに大幅反発となりました。42ドル安でスタートしたダウ平均は直後に127ドル安まで下落した後切り返すとまもなくしてプラスに転じ430ドル高近くまで上昇しましたが、その後伸び悩むと昼前には100ドル高程度まで上げ幅を縮めました。しかし、午後に入って再び大きく上げ幅を広げると取引終盤に785ドル高まで上昇し結局748ドル高の31,082ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も244ポイント高の10,859ポイントとなっています。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも素材が3%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスと金融も3%近く上げました。また、エネルギーと情報技術、資本財・サービス、ヘルスケアも2%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が上げました。そのなかでもキャタピラー(CAT)が6%余り上昇したほか、JPモルガン・チェース(JPM)も5%以上上げました。ゴールドマン・サックス(GS)とダウ(DOW)も4%を超える上昇となり、ウォルト・ディズニー(DIS)とインテル(INTC)、スリーエム(MMM)、トラベラーズ(TRV)も3%以上上げています。一方で決算を発表したベライゾン・コミュニケーションズ(VZ)とアメリカン・エキスプレス(AXP)が業績の先行きに懸念を示したことで下げ、ベライゾン・コミュニケーションズは4%を上回る下落となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の上昇が目立ち、ネットフリックス(NFLX)が8%近く上げ、テスラ(TSLA)とアマゾン・ドット・コム(AMZN)も3%を超える上昇となりました。半導体株も高くマイクロン・テクノロジー(MU)とウエスタンデジタル(WDC)が4%以上上げ、テキサス・インスツルメンツ(TXN)も4%近く上昇しました。クアルコム(QCOM)も3%を超える上昇となっています。写真・動画共有アプリのスナップ(SNAP)は売上高が市場予想を下回り、赤字幅が拡大したことから急落し28%余り下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%低い4.22%となりました。ドル円は一時152円近くまで円安が進みましたが、政府・日銀が円買い・ドル売り介入に踏み切ったとみられ144円台まで一気に円高となる場面がありました。朝方は149円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の27,000円を回復しそうで、200日移動平均線(先週末時点で27,229円)を試すような動きがみられるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)