東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて3日ぶりに反落となりました。275円安の26,981円で寄り付いた日経平均は直後に223円安の27,034円までやや持ち直しましたが、節目の27,000円を小幅に上回ったところで上値が押さえられると下げ幅を広げ10時30分過ぎに368円安の26,889円まで下落し303円安の26,954円で前場を終えました。336円安の26,921円でスタートした後場の日経平均は12時40分に384円安の26,872円まで下落した後14時10分過ぎに164円安の27,092円まで戻しましたが、引けにかけてやや下げ幅を広げると結局250円安の27,006円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
日清製粉グループ本社(2002)が3.1%高となりました。2019年に買収したオーストラリアの製粉事業についてのれんを含む固定資産の減損損失として558億円を計上することで通期の最終損益が185億円の黒字から一転して185億円の赤字となる見通しとなりましたが、悪材料出尽くしから買いが優勢となりました。新生銀行(8303)も一時16.3%高となり年初来高値を更新しました。SBIホールディングス(8473)が傘下に収めた新生銀行の株式上場を取りやめる非上場化の本格検討に入ったと伝わったことで株式公開買い付け(TOB)実施などへの思惑から買いを集めました。
医療用電子機器専業の日本光電工業(6849)も6.4%高となり年初来高値を更新しました。生体計測機器や検体検査装置等が好調に推移していることや為替が想定よりも円安で推移していることなどから上期の経常利益の見通しを50億円から125億円に上方修正したことで大幅高となりました。化学ポンプ大手のイワキ(6237)も8.2%高となり年初来高値を更新しました。持分法利益上振れや為替差益発生に加え、特別利益計上もあり上期の純利益の見通しを11億円弱から30億円弱まで引き上げたことを好感した買いが入りました。また、目標株価の引き上げを受けて買われたのが良品計画(7453)や吉野家ホールディングス(9861)で、良品計画が3.6%高となり、吉野家ホールディングスも一時4.1%高となりました。
一方でレオパレス21(8848)が22.6%下落しストップ安となりました。経営陣が主導して入居率を不適切に操作していたと伝わったことで売りが膨らみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は250円安となりました。米長期金利の上昇を嫌気して昨日の米国市場が反落となったことで売りが優勢となりました。節目の27,000円を割り込んだところでは下げ渋り25日移動平均線(26,985円)も引けで維持しましたが、200日移動平均線を小幅に上回った翌日に下落となったことで200日移動平均線が改めて上値抵抗線として意識されそうです。
なお、3月決算企業の上期決算が本日からスタートし引け後にはディスコ(6146)が決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数と10月のフィラデルフィア連銀製造業景気指数が発表されるほか、23時には9月の米中古住宅販売件数と9月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。さらに20日の米国ではダウ(DOW)やAT&T(T)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)