チャールズ・シュワブ(SCHW)決算:1株利益は1.1ドルで市場予想を上回る

チャールズ・シュワブは、証券業務、銀行業務、資産運用業務を手掛ける金融サービス会社である。大規模な実店舗型の証券支店網とオンライン証券サイトを運営、モバイル取引機能も備え、証券業界で首位的地位を築いている。

また、銀行業務、投資信託事業も展開し、独立系投資アドバイザーにサービスを提供している。顧客の預り資産残高は8兆ドル(2021年末現在)を超え、投資事業会社では業界最大手に属する。ほぼすべての収益が米国で生み出されている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月―9月期)実績

★調整後の収入・・・前年同期比20%増の55.00億ドル(市場予想は54.06億ドル)

★1株当たり利益(調整済み)・・・1.10ドル(市場予想:1.05ドル)

純営業収益、調整済みEPSがともに予想を上回った。純金利収入(NII)、トレーディング収入、1取引当たりの収入も予想を上回った。一方で、総アクティブ証券口座数、新規証券口座数、総顧客資産が予想を下回った。

今後の株価見通し

毎回決算では、予想を上回る好決算を発表してきたが、今回は、総アクティブ証券口座数、新規証券口座数、総顧客資産が予想を下回った。ただし、同社は、ダイレクト・インデックス初め、数々の革新的フィンテックを開発しており、ネット証券のパイオニア的存在である。株価の深押しは予想し難い。

シティグループ(C)決算:1株利益は1.63ドルで市場予想を上回る

シティグループは、100を超える国と地域で事業を展開するグローバルな金融サービス会社である。グローバル・コンシューマー・バンキング部門、機関投資家顧客グループの2つの主要部門からなる。主な業務は、米国での多国籍企業に対する国境を越えた銀行業務、投資銀行業務およびトレーディング、ならびにクレジットカードサービスである。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月―9月期)実績

★総収入・・・前年同期比8%増の185.08億ドル(市場予想は182.51億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.63ドル(市場予想は1.43ドル)

純営業収益、調整済みEPSともに予想を上回った。金利上昇で純受取利息(NII)が予想以上に拡大した。トレーディング収入は債券・為替・商品(FICC)が予想を下回り、全体も予想を下回った。

今後の株価見通し

45ドルレベルにバリアがあるが、基本的には48ドル超えから投資タイミングを図りたいところだ。

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)決算:1株利益は0.8ドルで市場予想を上回る

ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスは、米国および海外でおよそ13,000店を超える店舗を展開する大手小売薬局チェーンである。

交通量の多い好立地に実店舗を開くのが同社のコア戦略で、各店舗を囲む5マイルの地域を合わせると、米国の人口のおよそ80%にあたる人々が居住していることになる。現在、国内の処方箋薬局市場におけるシェアはおよそ20%で、首位を占めている。

2021年に、Alliance Healthcareの卸売事業の大半をAmerisourceBergenに65億ドルで売却し、コア事業である薬局と、VillageMD社と展開するプライマリーケア・クリニック事業とデジタル(オンライン/モバイル)販売事業の強化を図る。また、AmerisourceBergen(29%)やSinopharm Holding Guoda Drugstores Co, Ltd(同40%)にも出資している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第4四半期(6月-8月期)実績

★売上高・・・前年同期比5.3%減の324.49億ドル(市場予想は322.76億ドル)

★一株当たり利益(調整済み)・・・0.80ドル(市場予想は0.77ドル)

売上高、調整済みEPSとも予想を上回った。同社はまた、ヘルスケア部門の25年度の売上高目標を従来の110億ドルから120億ドルに上方修正し、24年度までにEBITDAの黒字回復を達成する見込みだとしている。

今後の株価見通し

マクロ環境の悪化とワクチンの逆風による薬局事業の減速懸念で市場の期待が低下し、ハードルが下がっていた。その意味で今回の決算は予想よりも若干ポジティブであった。39ドル超えから投資タイミングを図りたいところだ。

ウェルズ・ファーゴ(WFC)決算:1株利益は1.3ドルで市場予想を上回る

ウェルズ・ファーゴは、米国の最大手銀行のひとつである。総資産額はおよそ1.9 兆ドルに上る。事業は、リテイル銀行部門、商業銀行部門、企業・投資銀行部門、ウェルス・資産運用部門の主要な4つ部門を通じて展開されている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月―9月期)実績

★収入・・・前年同期比4%増の195.05億ドル(市場予想は188.08億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.30ドル(市場予想は1.09ドル)

純営業収益、調整済みEPSともに予想を上回った。純金利収入(NII)は121.0億ドルと、市場予想(116.4億ドル)を上回った。

今後の株価見通し

7-9月期決算(第3四半期)では、純営業収益、調整済みEPSともに予想を上回った。純金利収入(NII)は121.0億ドルと、市場予想(116.4億ドル)を上回った。同行は、伝統的はローン業務に特化した形態であり、その優位性が示された決算となった。46ドル超えから投資タイミングを図りたいところだ。

ジェイピー・モルガン・チェース(JPM)決算:1株利益は3.12ドルで市場予想を上回る

ジェイピー・モルガン・チェース・アンド・カンパニーは、4ドル兆近い資産を有する米国最大の複合金融機関の1つである。コンシューマー&コミュニティ・バンキング、コーポレート&インベストメント・バンキング、コマーシャル・バンキング、アセット&ウェルス・マネジメントの4つの主要部門からなる。複数の国の規制下で事業を展開している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第3四半期(7月―9月期)実績

★収入・・・前年同期比10%増の334.91億ドル(市場予想323.51億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・3.12ドル(市場予想2.88ドル)

純営業収益、調整済みEPSともに予想を上回った。同銀はFRBの利上げの恩恵を受け、四半期ベースでは過去最高の純利息収入(NII)を計上し、通期の利息収入のガイダンスも上方修正し、予想も上回った。また、経費も予想を下回り利益を押し上げた。

今後の株価見通し

7-9月期決算(第3四半期)では、純営業収益、調整済みEPSともに予想を上回った。同銀はFRBの利上げの恩恵を受け、四半期ベースでは過去最高の純利息収入(NII)を計上し、通期の利息収入のガイダンスも上方修正し、予想も上回った。また、経費も予想を下回り利益を押し上げた。116ドル超えから投資タイミングを図りたいところだ。