東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅反落となりました。305円安の26,785円で寄り付いた日経平均は直後に275円安の26,814円を付けた後下げ幅を広げると取引開始から20分余りで441円安の26,649円まで下落し387円安の26,703円で前場を終えました。334円安の26,756円でスタートした後場の日経平均は13時30分に392円安の26,698円まで下落した後やや戻し26,700円を上回って推移すると結局314円安の26,775円で取引を終えています。こうしたなか新興株も軟調で東証マザーズ指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時3.3%高となりました。傘下の米地銀MUFGユニオンバンクの個人・中小企業部門を米地銀最大手USバンコープに売却することに関して米連邦準備理事会(FRB)など米当局から承認を得たと発表したことで買いが優勢となりました。上期決算を発表した健康食品販売の北の達人コーポレーション(2930)も20.2%高となりました。楽天市場などのECモールでの販売が想定より伸びていることなどから通期の業績予想を上方修正したことで買いを集めました。高島屋(8233)も一時4.5%高となり年初来高値を更新しました。緊急事態宣言によって前年に売り上げが減った反動が出たことなどで9月の国内百貨店の売上高が前年同月比20.1%増と大きく伸びたことで大幅高となりました。また、ドル円がおよそ32年ぶりの円安水準となるなかインバウンド需要への期待から他の百貨店株も高く、三越伊勢丹ホールディングス(3099)が4.5%高となったほか、松屋(8237)が4.2%高、エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)も3.7%高となり、三越伊勢丹ホールディングスとエイチ・ツー・オー リテイリングは年初来高値を更新しています。
一方でパソナグループ(2168)が8.0%安となりました。東京五輪・パラリンピックの運営支援業務の特需がなくなったことなどで第1四半期の営業利益が前年同期比で41.6%減となったことで売りが膨らみました。東証スタンダード市場では出前館(2484)が一時15.3%下落しストップ安となる場面がありました。2022年8月期の営業損益が364億円を超す赤字となったうえ、2023年8月期も注文や配達などのシステム改修やサービス向上のための投資が重荷となり200億円前後の赤字が続く見通しとなったことで売りがかさみました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は314円安となりました。米長期金利の上昇が重石となるなか前日に大幅高となった反動で利益確定の売りが出て先週末の米国市場が大幅反落となったことで売りが優勢となりました。25日移動平均線の回復に失敗した翌営業日に大幅安となり節目の27,000円を割り込んだことで25日移動平均線が上値抵抗線としてより意識されそうで、こうしたなかで明日以降も戻りを試す展開となった場合には25日移動平均線(27,121円)を上回り水準を切り上げることができるかが引き続きポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分に10月のニューヨーク連銀製造業景気指数が発表されるほか、17日の米国ではバンク・オブ・アメリカ(BAC)の決算発表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)