今週はもう7月に入ります。1年の半分が過ぎてしまうのですから、本当に早いですね。以前何かで読んだのですが、年々時間が過ぎるのが早く感じるのは、子ども時代、例えば10歳であれば1年はそれまでの人生の10分の一、それに対して40歳であれば1年は40分の一、60歳であれば60分の一となるわけで、それだけ1年の比重が小さくなり早いのも然り・・・とのこと。なるほどと思った次第です。

  • さて、世界中が何かとざわついています。
  • ギリシャ問題...いよいよデフォルトが現実味
  • 中国追加利下げ...株価急落、景気減速懸念拡大
  • 多発するテロ...観光地や外資系資本を標的
  • 日本国内だけ見れば、消費支出(14カ月ぶりの増加)や雇用情勢の改善などの経済指標、TPP締結への期待等プラス材料が続いているものの、ボーダーレス化が進んだ現在、世界情勢は大きな不安要素です。

一昔前であれば、世界情勢に不安があれば「有事のドル」もしくは「有事の金」と言って、ドル買いや金への資本逃避が目立ちましたが、最近は「安全資産」のイメージの定着なのか、世界のマネーが日本(日本円、日本株)へ流れ込んできているようです。日本資産はそんなにも安全なのでしょうか、と不安を感じます。
日本が巨額財政赤字であることに変わりなく、国債の信用格付けもムーディーズがA1、S&PがAA-という状況であることも現実です。

過去において、世界のどの国でも言えることですが、株価が大きく上昇をすると必ず各専門家の分析で、「これは過去の暴落を伴った上昇とは違う」「バブルではない」等の発言がされます。投資家をだますつもりでも、操作するつもりもなく、誰もがそう信じたいし、事実過去とはどこかが異なっていたりもするのです。当然、各国中央銀行も他国の失敗を学習し、過去の繰り返しにならないよう、細心の注意を払っていることもあるでしょう。が、市場はそんな上がりっぱなしであるわけもなく、どこかで大きな調整の波は来てしまうものです。やはりそれがセオリーなのですよね。中央銀行の采配等により軟着陸できることもあるので、そこに期待したいところです。

昨年度の金融機関の不動産業向け融資がバブル期越えをしたとのこと。日銀は今のところ「市場に過熱感はない」としているとのことですが、国内の不動産市況だけでなく、世界情勢と日本の金融市場の双方を見てみれば、「本当ですか?」とここでも疑り深くなってしまいます。

かなり悲観的なコメントに終始しましたが、こうした時期は用心するに越したことはありませんので、耳に面白くない言葉もどこか片隅にでも覚えておいてくださいね。

廣澤 知子
ファイナンシャル・プランナー
CFP(R)、(社)日本証券アナリスト協会検定会員