【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,038.72 △827.87 (10/13)
NASDAQ: 10,649.15 △232.05 (10/13)
1.概況
米国市場は米CPIが市場予想を上回ったことで一時4%を上回った長期金利の上昇が一服し3.9%台まで水準を切り下げたことから買い戻しが優勢となり大幅反発となりました。455ドル安でスタートしたダウ平均は直後に549ドル安まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すとまもなくしてプラスに転じ大きく上げ幅を広げる展開となりました。取引終盤に957ドル高まで上昇したダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局827ドル高の30,038ドルで取引を終え30,000ドルの大台を6日ぶりに回復しています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も232ポイント高の10,649ポイントと7日ぶりに反発となっています。
2.経済指標等
9月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比8.2%上昇し市場予想を上回りました。変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数も前年同月比6.6%上昇しこちらも市場予想を上回り、1982年8月以来40年1ヶ月ぶりの高水準となっています。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9000件増の22万8000件となり市場予想を上回る悪化となりました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが上げました。そのなかでも金融とエネルギーが4%以上上昇したほか、情報技術も3%余り上げました。また、素材も3%近く上昇し、公益事業とヘルスケア、コミュニケーション・サービス、資本財・サービスも2%以上上げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが上げました。そのなかでもJPモルガン・チェース(JPM)が5%を超える上昇となったほか、決算で売上高と1株利益が市場予想を上回ったウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も5%以上上げました。スリーエム(MMM)とシェブロン(CVX)、ダウ(DOW)も5%近く上昇し、インテル(INTC)とマクドナルド(MCD)も4%以上上げています。
ダウ平均構成銘柄以外では半導体株の上昇が目立ち、マイクロン・テクノロジー(MU)とエヌビディア(NVDA)が4%高となり、クアルコム(QCOM)も4%近く上げています。また、10-12月期の売上高の見通しが市場予想を上回ったデルタ航空(DAL)が4%高となり、決算で売上高が市場予想を上回ったドミノ・ピザ(DPZ)も10%余り上げています。さらに広告付き低料金プランを11月3日に導入すると発表したネットフリックス(NFLX)が5%を超える上昇となっています。
5.為替・金利等
長期金利は0.06%高い3.95%となりました。米CPIが市場予想を上回ったことで一時4%を上回り2008年10月以来14年ぶりの高水準を付ける場面もありました。ドル円は147円台前半で推移しています。一時は147円60銭台まで円安が進み1990年8月以来32年ぶりの円安水準となる場面がありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)