東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日続落となりました。1円高の26,398円とほぼ横ばいで寄り付いた日経平均は直後に11円高の26,408円を付けましたが、上値は重く伸び悩むとマイナスに転じ11時20分過ぎに151円安の26,244円まで下落し136円安の26,260円で前場を終えました。107円安の26,289円でスタートした後場の日経平均は14時40分過ぎに94円安の26,301円まで戻した後引けにかけて下げ幅を広げると結局159円安の26,237円で取引を終え安値引けとなっています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が2%安となり節目の700ポイントを割り込んでいます。
2.個別銘柄等
東芝(6502)が7.4%高となりました。経営再建案を巡り優先交渉権を与えた企業連合が東芝の非上場化に向けた買収額として昨日時点での時価総額のおよそ2兆2000億円を上回る2兆8000億円を想定していると伝わったことで買いを集めました。上期決算を発表したリサイクル店を運営するトレジャー・ファクトリー(3093)も一時24.0%上昇しストップ高となり上場来高値を更新しました。新品の物価高や供給不足により中古品への需要が高まっていることなどから通期の営業利益の見通しを14億円から19億円超に上方修正したことを好感した買いが入りました。
本決算を発表したカラオケ店のまねきねこなどを運営するコシダカホールディングス(2157)も15.7%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。3月のまん延防止等重点措置解除以降、来店客数が回復するなか今期は通期にわたり店舗の通常営業ができるとみられることから2023年8月期の営業利益が前期比で3.4倍と急回復する見通しを発表したことで買いが膨らみました。久光製薬(4530)も13.8%高となりました。円安で為替差益が増え上期の純利益が前年同期比で30.0%増となったほか、自己株式を除く発行済み株式総数の2.51%にあたる200万株と100億円を上限とした自社株買いを発表したことで上げ幅を広げました。コメダホールディングス(3543)も6.3%高となり上場来高値を更新しました。上期の営業利益は前年同期比で1.1%減となりましたが、第2四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で5.6%増と第1四半期の7.2%減から増益に転じたことで大幅高となりました。
一方で上期決算を発表した東宝(9602)が3.8%安となりました。トップガンなど洋画が好調で通期の営業利益の見通しを380億円から420億円に引き上げましたが、市場予想に届かなかったことで失望売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は159円安となりました。昨日の米国市場が小幅な下落に止まったことからわずかに上昇して始まりましたが、米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見ムードも強く伸び悩むと売りが優勢となりました。その9月の米CPIは日本時間の21時30分に発表となります。前回は市場予想を上回る上昇率となったことで9月13日のダウ平均が1,200ドル以上下落し今年最大の下げとなりました。そのため今回もマーケットの反応が注目されます。
また、小売り企業の決算発表が続いていますが、本日も引け後にファーストリテイリング(9983)や良品計画(7453)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)