東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて反発となりました。106円高の26,280円で寄り付いた日経平均はまもなくして276円高の26,450円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと前引け5分前に47円高の26,221円まで上げ幅を縮め64円高の26,238円で前場を終えました。124円高の26,298円でスタートした後場の日経平均は再び上げ幅を広げ14時過ぎに284円高の26,458円を付けると結局248円高の26,422円で取引を終えています。こうしたなか新興株も高く東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
任天堂(7974)が株式分割などを考慮した基準値比で一時4.1%高となりました。1対10の株式分割を受けて最低投資金額が大幅に下がり手掛けやすくなったことで流動性向上を期待した買いが入りました。三菱重工業(7011)も配当落ちを考慮した基準値比で一時4.0%高となりました。三菱重工業と関西電力(9503)など電力会社4社が次世代の原子力発電所を共同開発することが分かったとの報道を材料視した買いが入りました。エーザイ(4523)も配当落ちを考慮した基準値比で14.9%上昇し昨日に続いてストップ高となりました。米バイオジェン(BIIB)と開発するアルツハイマー病の治療薬候補「レカネマブ」の第3相臨床試験で症状の悪化を抑制する有意な結果が出たと発表したことを好感した買いが続き年初来高値を更新しています。また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて買われたのが三越伊勢丹ホールディングス(3099)やコーセー(4922)で、三越伊勢丹ホールディングスが4.5%高となり、コーセーも4.7%高となっています。
一方で西松屋チェーン(7545)が一時10.2%安となり年初来安値を更新しました。急速な円安進行や原材料価格の高騰を受け、衣料などの海外からの調達コストが上昇していることなどから2023年2月期の経常利益の見通しを140億円から120億円に下方修正し一転して減益予想となったことで売りが膨らみました。和歌山県地盤のスーパーのオークワ(8217)も3.7%安となりました。既存店売上高の落ち込みに加え、原材料やエネルギー価格の高騰で仕入れコストや光熱費が上昇していることから2023年2月期の営業利益の見通しを54億円から37億円に引き下げたことで大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は248円高となりました。英イングランド銀行が金融市場安定化のために英長期国債の一時的な買い入れを発表したことを受けて英長期金利が急低下し、米長期金利も大きく低下したことで昨日の米国市場が大幅高となったことから買いが優勢となりました。節目の26,500円を前に伸び悩みましたが、220円程度とみられる配当落ちを埋めたうえで、240円を超す上昇となったことから調整一巡への期待も出てきそうです。
なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数や4-6月期の米実質GDP確定値が発表される予定です。また、29日の米国ではナイキ(NKE)やマイクロン・テクノロジー(MU)の決算発表も予定されています。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)