東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株安を受けて大幅に3日続落となりました。374円安の26,779円でスタートした日経平均は寄り付きを高値に下げ幅を広げると10時30分前に638円安の26,515円まで下落しましたが、節目の26,500円を前に下げ渋るとやや戻し534円安の26,619円で前場を終えました。632円安の26,521円でスタートした後場の日経平均は一段安となり14時過ぎに729円安の26,424円まで下落した後も節目の26,500円を下回って推移すると結局722円安の26,431円で取引を終えています。こうしたなか新興株も安く東証マザーズ指数が2.6%安となり節目の700ポイントを割り込んでいます。
2.個別銘柄等
世界的な金融引き締めが景気減速を招き原油需要が減退するとの見方から原油価格が大幅下落となったことで石油関連株が売られました。INPEX(1605)が9.9%安、石油資源開発(1662)が6.8%安、出光興産(5019)が7.6%安、ENEOSホールディングス(5020)が5.6%安となったほか商社株も安く丸紅(8002)が5.4%安、三井物産(8031)が5.0%安、住友商事(8053)が5.2%安、三菱商事(8058)も5.3%安となりました。
22日に日本政府・日銀が24年ぶりとなる円買い・ドル売り介入に踏み切ったことで円安が進みづらくなるとの見方から自動車株も売られました。トヨタ(7203)が3.2%安、日産(7201)が5.7%安、ホンダ(7267)が5.0%安、マツダ(7261)が5.6%安、SUBARU(7270)も5.4%安となりました。北海道電力(9509)も10.2%安となりました。未定としていた今期の営業損益が640億円の赤字になり、10円を予想していた中間配当を無配にすると発表したことで売りが膨らみました。
一方でチケット販売最大手のぴあ(4337)が一時3.9%高となりました。岸田文雄首相がチケット料金を割り引く「イベント割」を10月11日から始めると公表したことで買いが優勢となりました。水晶デバイスを製造する日本電波工業(6779)が7.3%高となりました。車載向けを中心に売り上げが想定以上に伸びるうえ、円安も収益を押し上げることなどから通期の営業利益の見通しを50億円から80億円に上方修正したことで買いを集めました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は722円安となりました。米連邦準備理事会(FRB)や英イングランド銀行、スイス国立銀行など欧米中銀による大幅利上げが世界景気を冷やすとの懸念から米国市場が4日続落となり、先週末のダウ平均がおよそ3ヶ月ぶりに年初来安値を更新したことから大幅安となりました。一目均衡表の雲を下に抜けた翌営業日に下げ幅を大きく広げ節目の27,000円だけでなく26,500円も割り込んだことから下値への警戒感が強まりますが、3日間で1,200円以上も下げていることもあり明日以降の自律反発に期待したいところです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)