【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 31,145.30  ▼173.14 (9/6)
NASDAQ: 11,544.91  ▼85.96 (9/6)

1.概況

米国市場は米ISM非製造業景況感指数が市場予想を上回ったことで米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識され長期金利が上昇するなかハイテク株を中心に売りが出て続落となりました。25ドル高でスタートしたダウ平均は直後に145ドル高まで上昇しましたが、伸び悩むとマイナスに転じ269ドル安まで下落しました。その後昼前に130ドル高程度まで持ち直したダウ平均ですが、午後に入って再びマイナスに転じると取引終了まで軟調に推移し結局173ドル安の31,145ドルで取引を終え続落となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も85ポイント安の11,544ポイントと7日続落となりました。

2.経済指標等

8月の米ISM非製造業景況感指数は56.9と前月から上昇し低下を見込んでいた市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスやエネルギー、情報技術、生活必需品などの7業種が下げ、コミュニケーション・サービスとエネルギーは1%以上下落しました。一方で不動産や公益事業などの4業種が上げ、不動産は1%高となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中22銘柄が下げました。そのなかでもスリーエム(MMM)が4%余り下落したほか、インテル(INTC)も3%近く下げました。また、ゴールドマン・サックス(GS)とダウ(DOW)、セールスフォース(CRM)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、マイクロソフト(MSFT)も1%以上下落しています、一方でビザ(V)やボーイング(BA)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)などの8銘柄が小幅に上げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、物流大手のフェデックス(FDX)が投資判断と目標株価の引き下げを受けて2%を超える下落となりました。家庭雑貨販売のベッド・バス・アンド・ビヨンド(BBBY)も経営再建の不透明感から18%以上下げています。電気自動車のテスラ(TSLA)は投資判断の引き上げを受けて1%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

長期金利は堅調な経済指標を受けてFRBの金融引き締めが長期化するとの見方が広がり0.16%高い3.35%となりました。こうしたなかドル円では円安が進み142円台後半で推移しています。一時143円台を付け1998年8月以来24年ぶりの円安水準を付ける場面もありました。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の27,500円を前に底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)