【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,283.40  ▼1,008.38 (8/26)
NASDAQ: 12,141.71  ▼497.56 (8/26)

1.概況

先週末の米国市場はパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長がジャクソンホール会議での講演でインフレ抑制についてやり遂げるまでやり続けなければならないと述べるなど利上げ継続によるインフレ抑制の姿勢を鮮明にしたことや、欧州中央銀行(ECB)が9月の理事会で通常の3倍となる0.75%の利上げを議論する可能性があると伝わったこともあり3日ぶりに大幅反落となりました。1ドル高とほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に72ドル高まで上昇する場面もありましたが、伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ大きく下げ幅を広げる展開となりました。結局ダウ平均は1,008ドル安の32,283ドルで取引を終えほぼ安値引けとなっています。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も497ポイント安の12,141ポイントと4%近い下げとなりました。

2.経済指標等

7月の米個人消費支出(PCE)は前月比0.1%増に止まり市場予想を下回りました。米個人所得も前月比0.2%増に止まり市場予想を下回っています。一方で8月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は58.2と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでも情報技術が4%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスも4%近く下げました。資本財・サービスと素材、金融も3%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄全てが下げました。そのなかでもスリーエム(MMM)が9%を超える下落となったほか、セールスフォース(CRM)も5%近く下げました。インテル(INTC)とナイキ(NKE)も4%を上回る下落となり、マイクロソフト(MSFT)とホーム・デポ(HD)、アップル(AAPL)、ハネウェル・インターナショナル(HON)、キャタピラー(CAT)、ビザ(V)、JPモルガン・チェース(JPM)、ウォルマート(WMT)、アメリカン・エキスプレス(AXP)も3%以上下げました。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ちグーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)が5%を超える下落となり、アマゾン・ドット・コム(AMZN)とフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)、ネットフリックス(NFLX)も4%以上下げています。

半導体株も安くエヌビディア(NVDA)が9%を超える下落となり、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とマイクロン・テクノロジー(MU)も6%前後の下げとなりました。クアルコム(QCOM)とウエスタンデジタル(WDC)も5%以上下落しています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利はパウエルFRB議長が講演で利上げを継続する姿勢を改めて示したことで0.02%高い3.04%となりました。ドル円は137円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)