メタ・プラットフォームズ(META)決算:1株利益は2.46ドルで市場予想を下回る

メタ・プラットフォームズは、世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営する。月間アクティブユーザー数は36億人超。メッセージ交換、ニュース、写真、ビデオのシェアなど、ユーザーは様々な方法で互いに交流することができる。

動画配信サービスWatchは、プレミアムコンテンツのライブラリを構築中で、広告収入や視聴料など収益化を目指す。フェイスブック、インスタグラム、メッセンジャー、ワッツアップ、その他多くのサービスでエコシステムを構成。

PCやモバイル端末から利用可能。広告収入が全体の90%以上で、地域別では半分が米国およびカナダ、25%が欧州となっている。粗利益率は80%超、営業利益率は30%以上となっている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比1%減の288.2億ドル(市場予想は289.3億ドル)

★1株当たり利益(GAAP)・・・2.46ドル(市場予想は2.54ドル)

第3四半期(7月-9月期)実績

★売上高・・・260-285億ドル(市場予想は303.2億ドル)

売上高、GAAPベースEPSがともに予想を下回った。続く第3四半期売上高ガイダンスも予想を下回った。
メタは発表資料で「この見通しは4-6月を通じて経験した弱い広告需要環境が続いていることを反映している。このような環境は幅広い経済の不確実性によってもたらされていると考えられる」と指摘した。

今後の株価見通し

デジタル広告事業は検索サイトとSNS(交流サイト)で明暗が分かれつつあるもようで、広告主が支出を抑制する中でSNSへの影響がより大きくなっている。経済情勢や世界の広告市場の減速、TikTokとの競争などが逆風となっている。当面底値模索の動きが予想される。155ドルレベルに下値支持線がある。

マクドナルド(MCD)決算:1株利益は2.55ドルで市場予想を上回る

マクドナルドは、世界最大のレストランオーナーであり運営会社である。2021年度システム全体の売上高は、1,120億ドル、119カ国で4万店舗を超えるレストランを展開している。

低価格設定のファスト・コアメニューでレストラン業界に革命を起こし、また、独立系レストランフランチャイジーとの提携を通じて優れた実績を築きあげた。マクドナルドはフランチャイズ・モデルの先駆者であり、独立したレストランフランチャイジーとの提携を通じて世界中で強固な基盤を築いている。

売上高のおよそ60%を、フランチャイズ・ロイヤルティ料とリース料が占めている。残りは、米国、海外運営市場、海外開発/ライセンス市場の3つの主要部門を通じて運営する自社店舗が占めている。フランチャイズ・システムの不動産の55%と建物の80%を保有していることが、市場全体の品質基準と一貫性を維持するのに大きく寄与している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比3%減の57.18億ドル(市場予想は58.21億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・2.55ドル(市場予想は2.46ドル)

売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは予想を上回った。2022年4‐6月期決算は、純利益が前年同期比46%減の11億8800万ドルだった。ウクライナ侵攻を受けたロシア事業撤退に伴う12億ドルの関連費用計上やインフレによるコスト上昇が響き、市場予想を下回った。売上高は3%減の57億1840万ドルだった。

今後の株価見通し

好決算を受け、いよいよ270ドルを目指す展開となりそうだ。

ボストン・サイエンティフィック(BSX)決算:1株利益は0.44ドルで市場予想を上回る

ボストン・サイエンティフィックは、小さな開口部または切れ目を通して人体に挿入される侵入の少ない医療装置を生産する。血管形成、血栓ろ過、心調律管理、カテーテル指向超音波イメージング、構造性心疾患、上部消化管診断、介入腫瘍学、および失禁の処置に使用するための製品を製造する。世界中のヘルスケア専門家や施設にデバイスを販売している。米国外売上高が全売上高の約半分を占めている。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比5.4%増の32.44億ドル(市場予想は32.17億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.44ドル(市場予想は0.42ドル)

第3四半期ガイダンス

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.43-0.45ドル(市場予想は0.45ドル)

2022年度通期ガイダンス

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.74-1.77ドル
(従来予想は1.74-1.79ドル、市場予想は1.76ドル)

決算総括

売上高、調整済みEPSはともに予想を上回った。続く第3四半期の調整済みEPSガイダンスレンジは予想を下回った。22年度通期ベース売上高成長率ガイダンスレンジを引き下げた。同調整済みEPSガイダンスレンジの上限を切り下げ、予想を下回った。

今後の株価見通し

好決算を受け、株価は上昇。45ドルを目指す展開が見込まれる。

ボーイング(BA)決算:1株損失は0.37ドルで市場予想を上回る

ボーイングは、航空宇宙および防衛の大手企業である。シカゴに本社を置き(ワシントンDC郊外への移転を計画)、民間航空機、防衛・宇宙・セキュリティ、グローバル・サービス、ボーイング・キャピタルの4つの部門で事業を展開している。

民間航空機部門は、130座席を超える航空機の生産でエアバスと競合している。防衛・宇宙・セキュリティ部門は、軍用機や武器の製造でロッキードやノースロップなどと競合している。グローバル・サービス部門は、航空会社にアフターマーケット・サービスを提供している。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比2%減の166.81億ドル (市場予想は175.54億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・0.37ドルの赤字
(市場予想は0.01ドルの利益)

売上高は予想を下回り、調整済みEPSは予想外の赤字となった。民間航空機、防衛など中核事業が冴えなかった。

今後の株価見通し

営業キャッシュフローが黒字転換したことは安心感につながる。180ドルを目指す展開が見込まれる。

レイセオン・テクノロジーズ(RTX)決算:1株利益は1.16ドルで市場予想を上回る

レイセオン・テクノロジーズは、ユナイテッド・テクノロジーとレイセオンの合併により誕生した。航空宇宙から防衛産業におよぶ多角的な事業を展開する。商用航空宇宙メーカーとして、および、防衛産業の元請負・下請負業者として、それぞれの事業へのエクスポージャーはほぼ拮抗している。

事業は4つの部門で構成されている。プラット&ホイットニー部門はエンジンの製造、コリンズ・エアロスペース部門は多角的な航空宇宙製品・サービスの提供、インテリジェンス、スペース・エアボーン・システムズ部門はセンサー事業と政府向けIT請負事業の双方を手掛け、統合防衛・ミサイルシステムズ部門はミサイルおよびミサイル・ハードウェアに重点を置き防衛産業分野で元請負事業を展開する。

出所:銘柄スカウター米国株、Morningstar, Inc.    

第2四半期(4月-6月期)実績

★売上高・・・前年同期比3%増の163.14億ドル (市場予想は166.24億ドル)

★1株当たり利益(一部項目を除く)・・・1.16ドル(市場予想は1.13ドル)

2022年通期ガイダンス

★売上高・・・677.5-687.5億ドル
(従来予想は据え置き、市場予想は683.5億ドル)

売上高は予想を下回ったが、調整済みEPSは予想を上回った。22年度通期ベースの売上高、及び調整済みEPSガイダンスレンジをそれぞれ据え置き、両方とも予想を下回った。

今後の株価見通し

不振決算を受け、当面下値模索の動きとなりそうだ。87.50ドルレベルに下値支持線がある。