東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は反発となりました。78円高の27,673円で寄り付いた日経平均は取引開始から20分で242円高の27,837円まで上昇しましたが、朝方の買い一巡後に伸び悩むと9時40分過ぎに39円高の27,634円まで上げ幅を縮めました。しかし、マイナスになることなく踏み止まると持ち直し146円高の27,740円で前場を終えました。143円高の27,738円でスタートした後場の日経平均は13時過ぎに86円高の27,680円まで上げ幅を縮めた後やや戻すと結局147円高の27,741円で取引を終えています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

第1四半期の決算を発表し通期の営業利益の見通しを上方修正したダイキン工業(6367)やサンリオ(8136)が大幅高となりました。ダイキン工業は北米の採算改善や円安の進行で第1四半期の業績が想定を上回ったことから通期の営業利益の見通しを3400億円から3500億円に引き上げたことで4.0%高となり、サンリオもライセンス事業が国内外で伸びていることなどから通期の営業利益の見通しを30億円から47億円に上方修正したことで12.9%高となり年初来高値を更新しました。イビデン(4062)も4.5%高となりました。ICパッケージ基板の需要がパソコン向けで底堅く推移したうえ、高機能スマートフォン向けの配線基板も好調だったことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で15.1%増となり市場予想も上回ったことで買いが優勢となりました。山崎製パン(2212)も3.5%高となりました。1月の値上げで収益が改善したことや、子会社の不二家(2211)の菓子事業なども好調だったことなどから上期の営業利益が前年同期比で17.7%増となり会社計画や市場予想を上回ったことで大幅高となりました。

一方でケーズホールディングス(8282)が7.7%安となりました。新型コロナウイルス禍で自粛していたチラシ配布などの広告宣伝の再開や水道光熱費の上昇で販管費が膨らんだことや、テレビやパソコンなどの販売減もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で39.7%減となったことで売りが膨らみました。他の家電量販店にも売りが広がりビックカメラ(3048)が4.5%安、ヤマダホールディングス(9831)が3.1%安、エディオン(2730)も5.3%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は147円高となりました。昨日の米国市場はペロシ米下院議長の台湾訪問により米中間の緊張が高まることを警戒した売りが出て続落となりました。しかし、日本市場は米中関係の悪化懸念を昨日の下げで既に織り込んでいたことや、ドル円が円安となっていることもあり買いが優勢となりました。こうしたなかで明日も買いが優勢となった場合には先週から回復に失敗している節目の28,000円を超えて水準を切り上げることができるかが、反対に売りが優勢となった場合には昨日にサポートとなった200日移動平均線を引き続きキープできるかがポイントとなりそうです。

なお、決算発表が続いていますが本日も引け後にはJFEホールディングス(5411)やリコー(7752)、任天堂(7974)、オリックス(8591)などが決算を発表する予定で、明日は取引時間中の13時25分にトヨタ(7203)が決算発表を予定しています。また、日本時間の23時には7月の米ISM非製造業景況感指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)