東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて反発となりました。12円高の27,813円で寄り付いた日経平均は直後にマイナスに転じましたが、50円安の27,751円で下げ渋るとまもなくして買いが優勢となり前引け間際に134円高の27,936円まで上昇し131円高の27,933円で前場を終えました。124円高の27,925円でスタートした後場の日経平均は節目の28,000円を小幅に下回って推移すると引けにかけてやや上げ幅を広げ結局191円高の27,993円で取引を終え高値引けとなっています。こうしたなか新興株も堅調で東証マザーズ指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
ソニーグループ(6758)が3.2%安となりました。経済再開を受けてソフトの販売が想定を下回ることや、米ゲーム大手の買収費用が増えたことなどもあり通期の営業利益の見通しを1兆1600億円から1兆1100億円に下方修正したことで大幅安となりました。また、第1四半期に営業減益となった銘柄にも大きく下落するものがみられました。富士通(6702)は供給網の混乱によりサーバーや通信機器分野での部材不足が影響し第1四半期の営業利益が前年同期比で24.1%減となったことで6.6%安となり、LIXIL(5938)も銅やアルミなどの原材料価格の高騰で調達費用が膨らんだことから第1四半期の営業利益が前年同期比で49.6%減となったことで6.4%安となりました。電源開発(9513)も石炭など火力発電に使う燃料価格が上昇するなか価格転嫁が追いつかず第1四半期の営業利益が前年同期比で9.5%減となったことから7.7%安となっています。
一方で第1四半期の決算が好調だったZOZO(3092)や住友ファーマ(4506)が大きく上げました。ZOZOは通販サイトのゾゾタウンの商品取扱高が伸長したことや、物流コストなどの変動費を中心としたコスト低減が寄与し第1四半期の営業利益が前年同期比で13.7%増となったことで10.4%高となり、住友ファーマも主力の抗精神病薬のラツーダが北米で好調だったことや円安も追い風となり第1四半期のコア営業利益が前年同期比で57.2%増となったことで8.1%高となりました。さらに目標株価の引き上げを受けてヤクルト本社(2267)や日本特殊陶業(5334)が高く、ヤクルト本社が5.4%高、日本特殊陶業も一時8.5%高となり揃って年初来高値を更新しています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は191円高となりました。米アップル(AAPL)や米アマゾン・ドット・コム(AMZN)といった主力ハイテク株の好決算を好感した買いが入り先週末の米国市場が大幅続伸となったことで買いが優勢となりました。しかし、節目の28,000円にあと一歩届きませんでした。今週は4日にトヨタ(7203)が決算を発表するなど決算発表が一段と本格化しますが、その決算発表を支えに28,000円を回復できるかが引き続きポイントとなりそうです。
なお、本日も引け後には三越伊勢丹ホールディングス(3099)やTDK(6762)、京セラ(6971)、日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の23時には7月の米ISM製造業景況感指数が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)