【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 32,529.63  △332.04 (7/28)
NASDAQ: 12,162.59  △130.17 (7/28)

1.概況

米国市場は米GDPが2四半期連続のマイナス成長となったことで米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの期待が強まり大幅続伸となりました。ほぼ横ばいでスタートしたダウ平均は朝方に214ドル安まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に切り返すと昼前にプラスに転じ上げ幅を広げました。取引終盤に411ドル高まで上昇したダウ平均は引けにかけてやや上げ幅を縮めたものの結局332ドル高の32,529ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も130ポイント高の12,162ポイントとなっています。

2.経済指標等

4-6月期の米実質GDP速報値は年率換算で前期比0.9%減と2四半期連続のマイナス成長となり市場予想を下回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比5000件減の25万6000件となりましたが市場予想ほど改善しませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスを除く10業種が上げました。そのなかでも不動産と公益事業が3%を超える上昇となったほか、資本財・サービスも2%高となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもナイキ(NKE)が4%余り上昇したほか、決算が市場予想を上回ったハネウェル・インターナショナル(HON)も3%以上上げました。マイクロソフト(MSFT)とウォルマート(WMT)、シスコシステムズ(CSCO)も2%を上回る上昇となっています。一方でトラベラーズ(TRV)が2%安となり、メルク(MRK)とインテル(INTC)も1%以上下げています。なお、インテルは取引終了後に発表した決算が市場予想を下回り最終損益が赤字に転落したことから時間外で急落となっています。また、同じく取引終了後に決算を発表したアップル(AAPL)は売上高の5割強を占めるiPhoneの販売が市場の予想以上だったことから時間外で大幅高となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では、売上高が上場以来初の減収となったフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が目標株価の引き下げが相次いだことで5%を超える下落となっています。半導体大手のクアルコム(QCOM)も決算で7-9月期の売上高と1株利益の見通しが市場予想を下回ったことで4%以上下げています。フォード・モーター(F)は決算で売上高が大きく伸び市場予想も上回ったことで6%余り上げています。 

5.為替・金利等

長期金利は米GDPが2四半期連続のマイナス成長となったことで相対的に安全資産とされる米国債が買われ0.11%低い2.67%となりました。こうしたなかドル円は円高に振れ134円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)