米ドル/円 日足

週間予想レンジ:134.00~137.00

メインストラテジー:戻り売り

・円売りは本流一服
・米長期金利低下へ
・上昇ウェッジを破る

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

アナリシス:

米ドル/円相場は先週反落、また先々週の上昇幅をほぼ帳消し、流れの変化を示唆した。もっとも、先々週の一旦139円台の打診は、米ハイパーインフレ継続や米連邦準備制度理事会(FRB)の1%利上げありといった過激な予想による「クライマックス」的な値動きであっただけに、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)の利上げが0.75%に留まる考えが想定される今、米長期金利の低下と相まって、行き過ぎた米ドル高に対する修正が始まったとみている。

従って、今週のFOMCは「無風通過」というか、通過後米ドル全体の一段反落がみられるだろう。ユーロのパリティ割れがあったように、米ドル全体が「買われ過ぎ」の段階にあり、それに対する修正が当面続くと思われる。米株の切り返しもあって、いわゆるリスクオフの米ドル買い/円売りが一旦極限を迎えた公算が大きい。

日足では、2022年4月末から形成されてきた大型「上昇ウェッジ」というフォーメーションの存在が目立つ。先週の反落は、同フォーメーションに対する下放れを確認し、本格的な調整段階入りを示唆していた。この場合、前述のフォーメーションの性質に鑑み、往々にして起点へ戻る習性があるため、時間がかかっても5月末安値の126.36円へ逆戻りすると予想される。

日足では、7月14日の大陽線をもって「クライマックス」を迎え、その後7月20日まで「インサイド」を形成、その下放れを果たした7月21日の陰線は点検的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインを灯した。そのため、先週末の大幅続落を当然のなりゆきとみなし、また136円後半の元抵抗ゾーンの下放れもあって、当面134円前半への逆戻りを図るだろう。同安値圏の打診があれば、6月17日大陽線の安値であった132.16円を打診する余地を拡大する。

その反面、7月22日の大陰線(先週週末)を否定(上昇して高値更新)しない限り、切り返しの先行があっても限られるだろう。さらに、前述の7月21日の「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインに鑑み、同サインを否定しない限り、ブルトレンドへの復帰はないだろう。実際、目先の可能性としては低く、今週一段落を有力視している。

欧米勢は本格的な夏休みシーズンに入り、相場の変動率も限られると思うが、米ドル高が行き過ぎた分、じわじわと修正される公算が大きい。FOMC通過後、メイン基調の一段鮮明化を覚悟しておきたい。

豪ドル/円 日足

週間予想レンジ:92.00~95.00

メインストラテジー:戻り売り

・頭の重い構造
・上放れは失敗
・円逆転主導へ

【図表2】豪ドル/円(日足)    
出所:筆者作成

アナリシス:

豪ドル/円相場は先週一旦95.78円をトライしたものの、94.20円前後にて大引けし、週足では典型的な「スパイクハイ」のサインを点灯した。同サインが示す頭の重い展開は、このまま継承する形で今週の続落を有力視している。

米ドル全面高の行き過ぎに対する反動が見られたことは前述の通りである。この場合、豪ドル/米ドルよりも米ドル/円の主導権が大きく、逆転を始めた現在において、米ドル/円の続落が想定より早いスピードで展開する可能性も大きいため、豪ドル/円の一段落を覚悟しておきたい。

もっとも、6月前半から7月前半にかけて形成された調整波の先行及びその後の抵抗ラインの上放れがあり、また先々週の続伸もあって、豪ドル/円は高値再打診の好機にあった。しかし、先週その好機を失った以上、しばらくは取り戻せないと推測している。

日足では、7月22日の大陰線が目立つ。同日の大幅反落があったからこそ、7月19日からの罫線の組み合わせは弱気サインと解釈され、頭の重い構造を露呈していた。さらに、同サインの有効性がこれから効いてくるのであれば重要な抵抗ラインに対するブレイク、それ自体が「ダマシ」になる可能性も大きく、続落の場合は一段と弱気サインを強化しかねない。

6月16日の安値に対する割り込みは、7月初頭に確認されたが、その後切り返しの展開があったからこそ、「フォールス・ブレイクアウト」と認定できたわけだ。しかし、先週の頭打ちが本物であれば、同サインの効き目がすでに消滅したとみなされ、7月安値の91円台前半への逆戻りがあってもおかしくないだろう。

とはいえ、7月11日の陰線が示した「スパイクハイ」のサインがあったように、93円台半ばから同後半の支持ゾーンが目先としてなお存在するだろう。ただし、大した役割を発揮できず、さらなる下値打診がある場合は基本的に逆戻りのシナリオの蓋然性が証明され、まず92円台の打診が見られるだろう。

米ドル/円次第だが、今週FOMCがすでに織り込まれる以上、反動的な値動きの拡大を覚悟しておきたい。豪ドルの優位性、円の逆転が支配的な雰囲気の中、しばら封印されるだろう。今週は戻り売りのスタンスを取りたい。