【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,630.17 ▼142.62 (7/14)
NASDAQ: 11,251.19 △3.60 (7/14)
1.概況
米国市場は6月の米消費者物価指数(CPI)に続き6月の米卸売物価指数(PPI)も市場予想を上回って上昇したことが相場の重石となり高安まちまちとなりました。320ドル安でスタートしたダウ平均は米連邦準備理事会(FRB)が7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で1%の利上げを決めるとの観測が強まったこともあって朝方に628ドル安まで下落しましたが、FRBのウォラー理事が7月のFOMCで0.75%の利上げを支持すると述べたことで徐々に持ち直すと引け間際に92ドル安まで下げ幅を縮めました。しかし、戻し切れないとやや下げ幅を広げ結局142ドル安の30,630ドルで取引を終え5日続落となっています。また、S&P500株価指数も11ポイント安の3,790ポイントとなりこちらも5日続落となりました。一方でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は3ポイント高の11,251ポイントとなり4日ぶりに反発となっています。
2.経済指標等
6月の米卸売物価指数(PPI)は前年同月比11.3%上昇し市場予想を上回りました。また、先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比9000件増の24万4000件となり変わらずとみていた市場予想に反して悪化しました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が下げ、金融と素材、エネルギーが2%近く下落し、コミュニケーション・サービスと不動産も1%以上下げました。一方で情報技術と生活必需品、公益事業の3業種が上げ、情報技術は1%近く上昇しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではトラベラーズ(TRV)が4%以上下げ下落率トップとなったほか、決算が大幅な減益となったJPモルガン・チェース(JPM)も3%を超える下落となりました。ゴールドマン・サックス(GS)も3%近く下げ、キャタピラー(CAT)とアメリカン・エキスプレス(AXP)も2%を上回る下落となっています。一方でボーイング(BA)とアップル(AAPL)が2%以上上げ、ウォルマート(WMT)も2%近く上昇しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、コストコ・ホールセール(COST)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて4%高となりました。フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)は目標株価の引き下げを受けて3%以上下げています。アリババ集団(BABA)も個人情報が流出したとされる問題で幹部が上海当局から取り調べを受けていると伝わったことで5%近く下落しています。加工食品大手のコナグラ・ブランズ(CAG)も決算で売上高が市場予想を下回ったことで7%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は0.03%高い2.96%となりました。ドル円はさらに円安が進み139円近辺で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国市場が高安まちまちとなるなか円安となっていることもあり昨日の堅調な地合いを引き継いで上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか本日は日本時間の11時に中国で4-6月期のGDPなど数多くの経済指標が発表される予定で注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)