【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 30,946.99  ▼491.27 (6/28)
NASDAQ: 11,181.54  ▼343.01 (6/28)

1.概況

米国市場は米消費者信頼感指数の悪化を嫌気して続落となりました。ダウ平均は中国政府が入国時の隔離期間の短縮などの行動規制の緩和を発表したことを好感して110ドル高でスタートすると直後に446ドル高まで上昇しましたが、米消費者信頼感指数の悪化を受けて上げ幅を縮めると昼前にマイナスに転じました。大きく下げ幅を広げ大引け間際に503ドル安まで下落したダウ平均は結局491ドル安の30,946ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も343ポイント安の11,181ポイントとなっています。

2.経済指標等

6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は98.7と前月から低下し市場予想も下回りました。一方で4月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数で20都市圏住宅価格指数は前年同月比21.2%上昇し市場予想も上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち10業種が下げました。そのなかでも一般消費財・サービスが4%安となり、情報技術も3%安となりました。また、コミュニケーション・サービスも3%近く下落しています。一方でエネルギーが2%を超える上昇となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄はシェブロン(CVX)とダウ(DOW)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)を除く27銘柄が下げました。そのなかでも6-8月期の業績見通しが市場予想を下回ったナイキ(NKE)が7%近く下落し、セールスフォース(CRM)も5%以上下げています。また、ホーム・デポ(HD)も4%を超える下落となり、マイクロソフト(MSFT)も3%余り下げました。アップル(AAPL)とウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)も3%近く下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)と動画配信のネットフリックス(NFLX)、アマゾン・ドット・コム(AMZN)、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)が5%以上下げています。半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が6%を超える下落となり、エヌビディア(NVDA)も5%以上下げています。一方で半導体大手のクアルコム(QCOM)は3%を超える上昇となりました。アップルが5G対応のスマートフォンでクアルコム製半導体の利用を続けるとの見方が出たことで買いが優勢となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い3.17%となりました。ドル円は欧州通貨に対するドル買いが波及し136円台前半まで円安が進んでいます。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の売り一巡後に下げ渋り底堅さをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)