【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 30,516.74 ▼876.05 (6/13)
NASDAQ: 10,809.23 ▼530.80 (6/13)
1.概況
米国市場は米連邦準備理事会(FRB)が14-15日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅が0.75%になるとの観測も出るなかFRBによる積極的な金融引き締めへの警戒感から大幅に4日続落となり、主要3指数が揃って年初来安値を更新しました。247ドル安でスタートしたダウ平均は下げ幅を大きく広げ昼前に900ドル安近くまで下落した後一旦下げ渋り500ドル安程度まで戻しましたが、取引終盤に再び下げ幅を広げると一時は1,019ドル安まで下落しました。その後引けにかけてやや持ち直したダウ平均ですが結局876ドル安の30,516ドルで取引を終え5月19日に付けた年初来安値(31,253ドル)を更新しています。
また、S&P500株価指数も151ポイント安の3,749ポイントとなりこちらも5月19日に付けた年初来安値(3,900ポイント)を下回ったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も530ポイント安の10,809ポイントとなり5月24日に付けた年初来安値(11,264ポイント)を更新しています。なお、S&P500株価指数は1月3日に付けた直近高値からの下落率が21.8%となり弱気相場入りとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は11業種全てが下げました。そのなかでもエネルギーが5%余り下落したほか、不動産と一般消費財・サービス、公益事業、情報技術、コミュニケーション・サービスも4%以上下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄はマクドナルド(MCD)を除く29銘柄が下げました。そのなかでもボーイング(BA)が8%を超える下落となったほか、セールスフォース(CRM)も7%近く下げました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)とダウ(DOW)も5%を上回る下落となり、シェブロン(CVX)とマイクロソフト(MSFT)も4%以上下げました。キャタピラー(CAT)とアップル(AAPL)、ナイキ(NKE)、ウォルト・ディズニー(DIS)、ビザ(V)、インテル(INTC)、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)、ウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンス(WBA)も3%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では主力ハイテク株の下げが目立ち電気自動車のテスラ(TSLA)と動画配信のネットフリックス(NFLX)が7%以上下げ、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ(META)も6%を超える下落となりました。アマゾン・ドット・コム(AMZN)も5%以上下げ、グーグルの持ち株会社であるアルファベット(GOOGL)も4%を超える下落となっています。半導体株も安くアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディア(NVDA)が8%前後の下げとなり、マイクロン・テクノロジー(MU)とウエスタンデジタル(WDC)も6%を超える下落となりました。クアルコム(QCOM)も3%以上下げています。さらに暗号資産のビットコインが大きく下落し1年半ぶりの安値を付けるなか暗号資産交換業者のコインベース(COIN)が11%以上下落しています。
5.為替・金利等
長期金利はFRBが積極的な利上げを続けるとの見方から0.20%高い3.36%となりました。また、金融政策の影響を受けやすい2年債の利回りが3.37%となり景気後退の予兆とされる逆イールドが発生しています。ドル円は134円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株安を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が一目均衡表の雲の下限(26,510円)や節目の26,500円を維持できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)