【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 32,915.78 △16.08 (6/6)
NASDAQ: 12,061.37 △48.64 (6/6)
1.概況
米国市場は中国の北京市が新型コロナウイルスの感染対策のための行動規制を緩和したことで中国の経済正常化を期待した買いが入り小幅に反発しました。132ドル高でスタートしたダウ平均は朝方に335ドル高まで上昇しましたが、長期金利の上昇が重石となり伸び悩むと午後に入ってマイナスとなり取引終盤には80ドル安まで下落する場面もありました。しかし、下げ渋ると引けにかけて持ち直し結局16ドル高の32,915ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も48ポイント高の12,061ポイントとなっています。
2.経済指標等
主要な経済指標の発表はありませんでした。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は全11業種のうち8業種が上げ、一般消費財・サービスが1%高となったほか、コミュニケーション・サービスと素材も1%近く上昇しました。一方で不動産とエネルギー、ヘルスケアの3業種が下げています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄ではトラベラーズ(TRV)とIBM(IBM)が1%以上上げたほか、ユナイテッドヘルス・グループ(UNH)も1%近く上昇しています。一方でアムジェン(AMGN)とセールスフォース(CRM)が1%以上下げました。ダウ平均構成銘柄以外では、3日に株式分割を実施したアマゾン・ドット・コム(AMZN)が2%近く上げたうえ、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が人員削減が必要だとの認識を示したと伝わったことで先週末に急落した電気自動車のテスラ(TSLA)もイーロン・マスクCEOが総従業員数は増えるとツイッター(TWTR)に改めて投稿したことで1%を超える上昇となっています。ツイッターはテスラのイーロン・マスクCEOが買収を取りやめる可能性を示唆したことで1%以上下げています。
5.為替・金利等
長期金利は米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が続き0.11%高い3.04%となり、5月11日以来1ヶ月ぶりの高水準となっています。こうしたなかドル円では円安がさらに進み131円台後半で推移しています。2002年4月以来約20年ぶりに132円台を付ける場面もありました。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は米国株高と円安を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の28,000円を回復できるかがポイントとなりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)